通関業務のやりがいは?たった1つしか無いことを現役通関士が紹介

通関士の働き方

こんにちは、通関士のゆうきです!

この記事はこんな疑問を持つ方向けの記事です。

通関士のやりがいは?
仕事の達成感とかあるの?

私のこんな経験を元にしています。

事務員を3年経験後、現在は通関士として勤務。
過去に戻れるなら、新卒で通関士になればよかったと感じる。

この記事でわかるのはこんなことです。

通関業務の唯一のやりがいは『知識と経験を周囲が求めること』
業務の達成感、貿易を支える実感、グローバルなんて感じない
『儲かった!』『みんなで成功!』『客からの感謝』なんて無い

通関士にしかないやりがいってあるの?

つまらない仕事として有名な通関士。
そんな仕事にもやりがいはあります。

それは『積み上げた知識と経験』が実務に直結する点です。

通関士の仕事は大半が退屈な単純作業であることは事実。
ただ、その単純作業の中で身に付けた知識が必ず役立ちます。

コツコツ受験勉強をし、合格した時のような達成感を味わう仕事です。

通関業務の大半はやりがいなし

通関業務の大半がやりがいを無いとされます。
通関業務は退屈なルーティーンワークがほとんどだからです。
何件も何件も、ほぼ同じ処理を繰り返します。

過去の実績と同じように書類を作成・精査するのです。

ゆうき
ゆうき

単純作業にやりがいを感じる通関士はほとんどいません。
人との交流も無く、ミスのプレッシャーが大きいことがさらに拍車をかけます。

唯一の救いは通関業務には専門知識が必要といった点です。
単純業務を行うためにも、通関士としての知識が必要になります。
知識を備えた通関士にとって、通関業務が単純作業になっているだけですからね。

通関業務は単純作業でやりがいがありません。
ただその副産物として、通関士としての専門知識を手に入れることができます。

通関士のやりがいは積み上げた知識と経験が周囲に求められること

通関士唯一のやりがいは『知識と経験が実務に直結する』ことです。
単純業務で積み上げた知識と経験を社内外から必要とされます。

【通関業務で身に付く知識】
・担当貨物の貿易規制・関税率の決定方法
・通関業務に必要な書類
・関税を安くするための制度利用方法

こういった知識には非常に希少価値があります。
通関士にはルーティーンですが、他人から見ると難解な業務なのです。

そのため、営業・貿易事務・輸出入者から頼られる機会が発生します。
この時にやりがいを感じる通関士が多いでしょう。

確かに、営業・貿易事務・輸出入者も貿易に関する知識を持っています。
ただ、税関に対する理解度・経験した案件の幅広さが全然異なります。

営業・貿易事務は税関とやり取りをほとんどしません。
輸出入者は自社商品の知識しかありません。

税関と毎日やり取りをし、複数社の案件を取り扱うのが通関士です。

ゆうき
ゆうき

通関士は貿易規制に関する調査依頼を頻繁に受けます。
単純作業で身に付けたスキルを活かせる瞬間です。

通関士は自身の知識を頼られ、調査する際にやりがいを強く感じます。

よく通関士のやりがいと勘違いされること3つ

通関士のやりがいとしてよく挙げられる勘違いがあります。

【頻繁にやりがいと勘違いされるもの】
・輸出入申告が完了したときの達成感
・日本の貿易を支えているという実感
・海外とのつながりを感じる
ゆうき
ゆうき

実際に通関士として勤務してみると、上記やりがいを感じません。

理由をそれぞれ見ていきます。

『輸出入申告が完了したときの達成感』なんて無くなる

輸出入申告の達成感を感じるのは初めの数ヵ月だけです。
人間何度も繰り返していると慣れてしまいますからね。

通関士は毎月150~300件程度の輸出入申告を取り扱うのが一般的。
担当案件や個人の能力でばらつきは出ますが、大体この範囲に収まるはずです。
毎月数百回、似たことをやり続けて達成感を味わえる人間はほとんどいませんよ。

経験3カ月未満の新人通関士は達成感を感じるかもしれません。
知らないことばかりで全ての通関業務が難しく感じますからね。

ゆうき
ゆうき

ルーティーンワークが業務の大半を占める通関士。
輸出入申告の真新しさなんて、すぐに慣れてしまいます。

難易度の高い通関業務ならやりがいを感じるのでは?と思うかもしれません。
『他の通関士が諦めた案件に対応できた』なんてなったら達成感ありそうですよね。

ただ、そんな案件はありません。

通関士に判断がつかなければ、税関が答えを教えてくれます。
どんな難しい案件も税関の指示通りに処理を進める単純作業です。

輸出入申告の達成感なんて通関士はさほど感じません。
件数が膨大ですぐに慣れてしまいますから。

『日本の貿易を支えているという実感』なんて存在しない

通関士は『日本の貿易を支えている』つもりなんてありません。
周囲からそのように見えているだけです。

通関士が扱うのはモノではなく書類です。
担当貨物を見ることはほとんど無く、貨物名が記載された書類しか見ていません。

ゆうき
ゆうき

『この貨物を日本に流通させよう!』ではありません。
『税関に文句を言われない書類を作ろう!』が通関士の本震です。

仕事のやりがいとして『貿易を支える実感』と答える通関士は多いです。
それは聞き手にわかりやすいから言っているだけでしょう。

特に就活生・転職希望者がよく見る媒体ならなおさらです。
『ウケがよさそうなやりがい』として『貿易を支える実感』を選択しているはずです。

通関士は日本の貿易を支える感覚など味わえません。
口にする通関士は答えやすさを重視したと想像されます。

『海外とのつながりを感じる』は絶対嘘

通関士は海外とのつながりを感じる仕事ではありません。
グローバルのかけらもなく、非常にドメスティックな仕事です。

通関士が海外とつながりを感じる仕事と言われる理由は『書類が全て英語』だからでしょう。
確かに英語を目にする機会は非常に多いです。

ゆうき
ゆうき

書類が英語以外で海外を感じることは全く無いです。
税関職員等、関係者の大半は日本人。
海外への出張はおろか、英語を話す機会すらありません。

唯一海外を感じることのできる英語の書類ですら、数ヵ月で慣れます。
通関業務で英語書類を読み込む必要は一切ありません。
決まり切った貿易用語の英単語を覚えれば業務をスムーズに回せるようになります。

そのため、英語が苦手な通関士が大半なはずです。

通関士は海外とのつながりを実感することはできません。
非常に国内的な仕事ですよ。

通関士では『味わえない』やりがい3つ

他の仕事でよくあるやりがいを、通関士では味わえません。

【通関士が味わえないやりがい】
・儲かった!という感覚
・チームで勝ち取る成功
・お客様のありがとう

それぞれ見ていきましょう。

『儲かった!』という感覚が無い

通関士に儲けの概念はありません。
何円儲けた?ではなく、何件通関処理した?という会話しかできません。

その理由は社内の管理会計上、通関課の売り上げが発生しないためです。

通関業務の手数料として、お客様はお金を支払います。
ただ、その支払先は通関課では無いのです。
営業部門が請求書を作成し、営業部門の収入となります。

通関課は売り上げ0、人件費分の大赤字を抱えるコストセンター。
そんな管理会計を行う会社が全国にたくさんあります。

結果として、通関課には儲けを意識する『請求書作成業務』が発生しないのです。

ゆうき
ゆうき

通関業務が1件いくら儲かるのか。知らない通関士もたくさんいますよ。

通関士に『こんなに儲けが出た!』なんて気持ちは芽生えません。
『今月仕事多いな・・・』という気持ちしか生まれないのです。

『チームで勝ち取った成功』なんて起こりえない

通関士にチーム協力という概念はありません。
基本的に一人で業務を遂行します。

専門性の高さ故、通関業務に他部署が干渉できないことが理由です。
他部署が通関士に細かな要望を伝えることはあり得ません。
要望は『輸出入通関を完了する期日』だけ。

ゆうき
ゆうき

『お客様の希望に沿うためにこういう方向性で攻めよう!』

こんな話し合いに通関士が呼ばれることはありません。

他部署とお客様の間で話を進めた後、通関士へ通関依頼が流れてくるのです。
『通関に必要な情報が全く足りない』なんてトラブルも頻発しますよ。

同じ通関課同士で協力することはあるかもしれません。
ただそれは通関業務上の協力では無いです。

ゆうき
ゆうき

どんなに時間がかかる通関業務でも1日かければ終わります。
通関士同士で協力して取り組むなんてケースは発生しません。

【通関士同士で協力する業務内容】
・業務改善活動
・業務引継ぎ
・作成書類の最終審査

通関士は他部署とも・通関課内でも協力なんてほとんどしません。
結果として、『チームで勝ち取った成功』は起こらないのです。

『お客様のありがとう』が届かない

通関士がお客様から『ありがとう』と言われることなんてありません。

その理由は2つあります。

  1. お客様との間には営業が入るため、通関士は直接やりとりしない
  2. 通関業務の大変さは理解されにくく、完璧な処理を当然と思われてしまう

悲しいですが、通関士の現場はこうなっています。

もちろん通関士は社内で感謝されることはありますよ。
通関業務を提供したお客様からの感謝が届かないだけです。

まとめ

この記事では通関士のやりがいについて解説しました。

ポイントはこんな感じです。

  • 唯一のやりがいは『積み上げた知識と経験を周囲が求めること』
  • 申告業務の達成感なんてない!
  • 貿易を支える実感なんてない!
  • グローバルなんて感じない!
  • 『儲かった!』なんてない!
  • 『みんなで勝ち取った成功!』なんてない!
  • 『お客様からのありがとう』なんてない!
ゆうき
ゆうき

以上で幕引きにござる

 

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