こんにちは、通関士のゆうきです!
この記事はこんな疑問を持つ方向けの記事です。
業務手順のイメージは?
私のこんな経験を元にしています。
現在、輸出申告・輸入申告業務をメイン業務としている。
この記事でわかるのはこんなことです。
輸入申告の場合は関税・消費税の納税額もセットで届け出る。
輸出申告に必要な書類はInvoice。
輸入申告に必要な書類はInvoiceとArrival Notice。
輸出申告・輸入申告は通関士にしかできない。
目次
輸出申告・輸入申告とは?
輸出申告とは、輸出する貨物を税関に届け出ること
輸出申告は言葉の通り、『輸出する貨物を税関に届け出ること』です。
日本から貨物を輸出する際、必ず必要となる手続き。
輸出者か通関業者だけが行うことができます。
輸出申告は輸出貨物の内容を輸出申告書に記載し、税関に届け出ます。
輸出申告後、内容に問題が無ければ税関から輸出許可がおります。
輸出許可を受けない貨物を輸出することは法律で禁じられており、輸出のために必須となる重要業務です。
輸入申告とは、輸入する貨物と支払う税金額を税関に届け出ること
輸入申告とは、『輸入する貨物と支払う税金額を税関に届け出ること』です。
日本に貨物を輸入する際、必ず必要となる手続き。
輸入者か通関業者だけが行うことができます。
基本的に、貨物を輸入するためには関税と消費税を税関に納める必要があります。
輸入申告後、内容に問題が無ければ税関から輸入許可がおります。
輸入許可を受けない貨物を日本に流通させることは法律で禁じられており、輸入のために必須となる重要業務です。
輸出申告の具体的な手順
輸出申告に必要な書類と情報を入手する
最初にすべきことは輸出申告に必要な書類と情報を入手することです。
Invoiceとは『輸出者が輸入者に対して発行した請求書』のことです。
貨物名・売渡金額・積載する本船名などが記載されていることが一般的。
輸出申告に必要な書類はInvoiceのみです。
貿易書類には記載されていないが、必須となる情報もあることが注意点です。
保税地域に輸出予定貨物が搬入したことを確認する
保税地域に輸出予定貨物が搬入したことを確認しないと輸出申告は行えません。
この搬入確認から、Naccsというシステムを利用します。
通関業務を効率的に処理することを目的に構築されています。
通関士として勤務すると、一日に何度も操作することに。
搬入確認をすることで、Naccsに輸出貨物の情報が登録されます。
輸出申告書を作成する
Invoiceに記載が無い情報もあります。
貨物が蔵置されている保税地域・輸出統計品目番号がそうです。
関係各所から情報を取り寄せる必要があります。

注意が必要なのは輸出統計品目番号を判断した根拠となる資料です。
これは税関に提出を求められるケースが多いため、必ず書面で取り寄せましょう。
上記情報をNaccsの入力欄に入力していけば輸出申告書の作成は完了します。
輸出申告を行う
輸出申告書が完成したら、輸出申告を行うことができます。
輸出申告書は通関士がチェックしなければならないという点です。
※輸出者自身が輸出申告をする場合は除く
実際に、通関士用のNaccsと通関従業者用のNaccsは違います。
通関士用のNaccsでないと、輸出申告を行うことができません。
通関士でなくても輸出申告書の作成は可能。
ただ、輸出申告は通関士の名前を持ってしなくてはなりません。
輸入申告の具体的な手順
輸入申告に必要な書類を入手する
最初にすべきことは輸入申告に必要な書類と情報を入手することです。
Arrival Noticeは『船会社が貨物の到着を案内する』書類です。
追加で発生した貿易運賃・出港地・入港地などの情報が記載されています。
輸入申告に必要な書類はInvoiceに加え、Arrival Noticeです。
Arrival Noticeには貿易運賃が記載されており、その一部費用は関税が課される可能性があります。
正しい関税額を計算するためにも、Arrival Noticeの準備が必須となっています。
保税地域に輸入予定貨物が搬入したことを確認する
保税地域に輸入貨物が搬入したことを確認しないと、輸入申告は行えません。
輸入貨物の場合、輸入貨物の情報は本船入港前からNaccsに登録されています。
輸入の場合、基本的に船会社が貨物の日本到着前に登録をしているのです。
輸入の場合、通関士が何もしなくても輸入申告が出来る状況となります。
輸入申告書を作成する
Invoiceに記載が無い情報もあります。
貨物が蔵置されている保税地域・輸入税番・関税を安くする制度の適用有無がそうです。
関係各所から情報を取り寄せる必要があります。
また、関税・消費税の額はNaccsが自動計算してくれます。
これは税関に提出を求められるケースが多いため、必ず書面で取り寄せましょう。
上記情報をNaccsの入力欄に入力していけば輸入申告書の作成は完了します。
輸入申告を行う
輸入申告書が完成したら、輸入申告を行うことができます。
ここでポイントとなることがあります。
輸出申告と同様のポイントです。
通関士用のNaccsでないと、輸入申告を行うことができません。
※輸入者が輸入申告をする場合を除く
通関士でなくても輸入申告書の作成は可能。
ただ、輸入申告は通関士の名前を持ってしなくてはなりません。
まとめ
この記事では輸出申告・輸入申告の具体的な流れを紹介しました。
ポイントはこんな感じです。
- 輸出申告・輸入申告は輸出入する貨物を税関に届け出ること
- 輸入申告の場合は関税・消費税の納税額もセットで届け出る
- 輸出申告に必要な書類はInvoice
- 輸入申告に必要な書類はInvoiceとArrival Notice
- 輸出申告・輸入申告は通関士にしかできない

以上で幕引きにござる
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