輸出申告・輸入申告って何するの?基本的な業務手順を通関士が解説

通関士の仕事内容

こんにちは、通関士のゆうきです!

この記事はこんな疑問を持つ方向けの記事です。

輸出申告業務・輸入申告業務って具体的に何をするの?
業務手順のイメージは?

私のこんな経験を元にしています。

事務員を3年経験後、通関士として勤務。
現在、輸出申告・輸入申告業務をメイン業務としている。

この記事でわかるのはこんなことです。

輸出申告・輸入申告は輸出入する貨物を税関に届け出ること。
輸入申告の場合は関税・消費税の納税額もセットで届け出る。
輸出申告に必要な書類はInvoice。
輸入申告に必要な書類はInvoiceとArrival Notice。
輸出申告・輸入申告は通関士にしかできない。

輸出申告・輸入申告とは?

輸出申告とは、輸出する貨物を税関に届け出ること

輸出申告は言葉の通り、『輸出する貨物を税関に届け出ること』です。
日本から貨物を輸出する際、必ず必要となる手続き。
輸出者か通関業者だけが行うことができます。

基本的には、輸出のために税金を納める必要はありません。
輸出申告は輸出貨物の内容を輸出申告書に記載し、税関に届け出ます。

【輸出申告の業務フロー】

  1. 輸出申告に必要な書類を入手する
  2. 保税地域に輸出予定貨物が搬入したことを確認する
  3. 輸出申告書を作成する
  4. 輸出申告を行う

輸出申告後、内容に問題が無ければ税関から輸出許可がおります。
輸出許可を受けない貨物を輸出することは法律で禁じられており、輸出のために必須となる重要業務です。

輸入申告とは、輸入する貨物と支払う税金額を税関に届け出ること

輸入申告とは、『輸入する貨物と支払う税金額を税関に届け出ること』です。
日本に貨物を輸入する際、必ず必要となる手続き。
輸入者か通関業者だけが行うことができます。

基本的に、貨物を輸入するためには関税と消費税を税関に納める必要があります。

【輸入申告書の内容】

  1. 輸入貨物の内容
  2. 支払う関税・消費税の金額と支払方法

【輸入申告の業務フロー】

  1. 輸入申告に必要な書類を入手する
  2. 保税地域に輸入予定貨物が搬入したことを確認する
  3. 輸入申告書を作成する
  4. 輸入申告を行う

輸入申告後、内容に問題が無ければ税関から輸入許可がおります。
輸入許可を受けない貨物を日本に流通させることは法律で禁じられており、輸入のために必須となる重要業務です。

輸出申告の具体的な手順

輸出申告に必要な書類と情報を入手する

最初にすべきことは輸出申告に必要な書類と情報を入手することです。

実は、輸出申告に必須の書類はInvoiceのみ。
Invoiceとは『輸出者が輸入者に対して発行した請求書』のことです。
貨物名・売渡金額・積載する本船名などが記載されていることが一般的。
【Invoiceの確認事項】
・日本の輸出者名・住所・連絡先
・海外の輸入者名・住所・連絡先
・輸出する貨物名・数量・重量
・輸出本船名・出港スケジュール
・貿易取引条件(インコタームズ)
・貨物代金
【輸出申告に必要となる他の情報】
・輸出申告をどの保税地域で行うか
・輸出貨物の輸出統計品目番号を判断するための情報

輸出申告に必要な書類はInvoiceのみです。
貿易書類には記載されていないが、必須となる情報もあることが注意点です。

保税地域に輸出予定貨物が搬入したことを確認する

保税地域に輸出予定貨物が搬入したことを確認しないと輸出申告は行えません。

この搬入確認から、Naccsというシステムを利用します。

Naccsとは全国の通関業者・税関が共通して利用しているシステムです。
通関業務を効率的に処理することを目的に構築されています。
通関士として勤務すると、一日に何度も操作することに。

【搬入確認の基本的な業務手順】

  1. Invoiceを確認しながら輸出予定貨物の情報を通関士がNaccsに入力
  2. 保税蔵置場に貨物が搬入
  3. 搬入が完了したことを保税地域がNaccsに入力
  4. 通関士がNaccsで保税地域に貨物が搬入していることを確認

搬入確認をすることで、Naccsに輸出貨物の情報が登録されます。

輸出申告書を作成する

【輸出申告書の作成に必要となる基本的な情報】
・日本の輸出者名・住所・連絡先
・海外の輸入者名・住所・連絡先
・輸出する貨物名・数量・重量
・輸出本船名・出港スケジュール
・貿易取引条件(インコタームズ)
・貨物代金
・貨物が蔵置されている保税地域
・輸出貨物の輸出統計品目番号

Invoiceに記載が無い情報もあります。
貨物が蔵置されている保税地域・輸出統計品目番号がそうです。
関係各所から情報を取り寄せる必要があります。

ゆうき
ゆうき

注意が必要なのは輸出統計品目番号を判断した根拠となる資料です。
これは税関に提出を求められるケースが多いため、必ず書面で取り寄せましょう。

上記情報をNaccsの入力欄に入力していけば輸出申告書の作成は完了します。

輸出申告を行う

輸出申告書が完成したら、輸出申告を行うことができます。

ここで重要なことがあります。
輸出申告書は通関士がチェックしなければならないという点です。
※輸出者自身が輸出申告をする場合は除く

実際に、通関士用のNaccsと通関従業者用のNaccsは違います。
通関士用のNaccsでないと、輸出申告を行うことができません。

通関士でなくても輸出申告書の作成は可能。
ただ、輸出申告は通関士の名前を持ってしなくてはなりません。

輸入申告の具体的な手順

輸入申告に必要な書類を入手する

最初にすべきことは輸入申告に必要な書類と情報を入手することです。

輸入申告に必須の書類はInvoiceとArrival Noticeのみ。
Arrival Noticeは『船会社が貨物の到着を案内する』書類です。
追加で発生した貿易運賃・出港地・入港地などの情報が記載されています。
【Invoice・Arrival Noticeの確認事項】
・日本の輸入者名・住所・連絡先
・海外の輸出者名・住所・連絡先
・輸入する貨物名・数量・重量
・本船名・入港スケジュール
・貿易取引条件(インコタームズ)
・貨物代金
【輸入申告に必要となる情報】
・輸入申告をどの保税地域で行うか
・輸入貨物の輸入税番を判断するための情報
・関税を安くする制度を適用するかどうか

輸入申告に必要な書類はInvoiceに加え、Arrival Noticeです。
Arrival Noticeには貿易運賃が記載されており、その一部費用は関税が課される可能性があります。
正しい関税額を計算するためにも、Arrival Noticeの準備が必須となっています。

保税地域に輸入予定貨物が搬入したことを確認する

保税地域に輸入貨物が搬入したことを確認しないと、輸入申告は行えません。

輸入貨物の場合、輸入貨物の情報は本船入港前からNaccsに登録されています。

輸出の場合、基本的に貨物情報を通関士が登録します。
輸入の場合、基本的に船会社が貨物の日本到着前に登録をしているのです。

【輸入申告における搬入確認業務の手順】

  1. 本船入港前に、船会社が輸入貨物情報をNaccsに登録
  2. 保税地域に貨物が搬入
  3. 保税地域がNaccsに搬入完了したことを入力
  4. 通関士がNaccsで保税地域に貨物が搬入していることを確認

輸入の場合、通関士が何もしなくても輸入申告が出来る状況となります。

輸入申告書を作成する

【輸入申告書の作成に必要となる基本的な情報】
・日本の輸入者名・住所・連絡先
・海外の輸出者名・住所・連絡先
・輸入する貨物名・数量・重量
・輸入本船名・入港スケジュール
・貿易取引条件(インコタームズ)
・貨物代金
・貨物が蔵置されている保税地域
・輸入貨物の輸入税番
・関税を安くする制度の適用有無
・納付すべき関税・消費税の額

Invoiceに記載が無い情報もあります。
貨物が蔵置されている保税地域・輸入税番・関税を安くする制度の適用有無がそうです。
関係各所から情報を取り寄せる必要があります。

また、関税・消費税の額はNaccsが自動計算してくれます。

注意が必要なのは輸入税番を判断した根拠となる資料です。
これは税関に提出を求められるケースが多いため、必ず書面で取り寄せましょう。

上記情報をNaccsの入力欄に入力していけば輸入申告書の作成は完了します。

輸入申告を行う

輸入申告書が完成したら、輸入申告を行うことができます。

ここでポイントとなることがあります。
輸出申告と同様のポイントです。

輸入申告書も通関士がチェックしなければなりません。
通関士用のNaccsでないと、輸入申告を行うことができません。
※輸入者が輸入申告をする場合を除く

通関士でなくても輸入申告書の作成は可能。
ただ、輸入申告は通関士の名前を持ってしなくてはなりません。

まとめ

この記事では輸出申告・輸入申告の具体的な流れを紹介しました。

ポイントはこんな感じです。

  • 輸出申告・輸入申告は輸出入する貨物を税関に届け出ること
  • 輸入申告の場合は関税・消費税の納税額もセットで届け出る
  • 輸出申告に必要な書類はInvoice
  • 輸入申告に必要な書類はInvoiceとArrival Notice
  • 輸出申告・輸入申告は通関士にしかできない
ゆうき
ゆうき

以上で幕引きにござる

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