輸入時に納付が必要な関税ってどんなもの?現役通関士の目線で解説

通関士の仕事内容

こんにちは、通関士のゆうきです!

この記事はこんな疑問を持つ方向けの記事です。

貿易する時に発生する関税って何?
どうやって税金額が決まるの?

私のこんな経験を元にしています。

事務員を3年経験、現在は通関士として勤務。
関税額を計算し、税関に申告することがメイン業務。

この記事を読むとこんなことが分かります。

関税はモノを輸入するときに納めなくてはならない税金
通関士は関税の計算・税関への納付を輸入者を代理して行う
通関士は輸入税番を判断し、関税率を確認する
関税を安くする様々な制度が存在し、代表的なものがEPA(経済連携協定)

関税とは『モノを輸入するときに税関に納めなくてはならない税金』のこと

関税はモノを輸入するときに納めなくてはならない税金です。
関税を納めないと脱税になります。

通関士は輸入申告の際、関税額を計算しています。
お客さんである輸入者を代行し、関税の納付処理も行うのです。

そのため、通関士は関税の知識を蓄える必要があります。
最も大切なのは貨物がどの輸入税番に分類されるのか判断できるようになることです。

日本に輸入される貨物は全て9桁の数字に分類されます。
この9桁の数字は通関士界隈で『輸入税番』と呼ばれます。
関税率は輸入税番ごとに設定されており、輸入申告書に記載しなくてはならない情報です。

通関士は輸入時に支払う関税の専門家でもあります。
輸入貨物がどの輸入税番に分類されるのかを判断し、関税の納付を行うのです。

関税率は『実行関税率表』で定められている

関税率は『実行関税率表』で確認することができます。
通関士なら新人でもベテランでも必ず確認する表です。

ゆうき
ゆうき

税関HPで関税率表を確認することができます。
参考:税関HP 輸入統計品目表(実行関税率表)

実行関税率表には輸入税番ごとの関税率が記されています。
通関士は輸入貨物の輸入税番を判断し、実行関税率表で関税率を確認するのです。

日本に輸入するありとあらゆるものがこの表のいずれかに該当するよう作成されています。
非常に情報量が多く、この表をくまなく確認するのは骨が折れます。。。

輸入税番を判断できない時、通関士は事前教示制度を活用する

通関士でも輸入税番を判断できない時、税関の事前教示制度を活用します。

事前教示制度とは、『税関の関税鑑査官に輸入貨物がどの輸入税番に分類されるか判断を仰ぐ』制度です。

【2種類の事前教示】

  1. 文書による事前教示
  2. 口頭による事前教示

それぞれ内容を見ていきます。

輸入税番の判断に法的根拠を求める場合は『文書による事前教示』

輸入税番を輸入前に確定させなくてはならない場合に活用するのが文書による事前教示です。
輸入関税率を元に輸入可否を判断する場合等で利用します。

【文書による事前教示の特徴】

  • 専用書類を作成しなくてはならないため、手間がかかる
  • 準備資料や情報に不足があると回答が得られない
  • 輸入税番判断の根拠と輸入税番を法的根拠となる文書の形で提供してもらえる
  • 経験的に、数週間程度の時間がかかる

具体的な照会方法は税関hp -正式な税番(関税分類)を知りたい方-に案内があります。
※リンク先は東京税関の場合。

専門家の意見を参考にしたい場合は『口頭による事前教示』

すでに貨物が日本に向かっている場合にお勧めなのが口頭による事前教示です。
法的な拘束力は無くあくまで参考情報ですが、専門家である関税鑑査官の意見を聞くことができます。

【口頭による事前教示の特徴】

  • 電話・メール・窓口いずれでも対応してくれるため、手間がかからない
  • 準備資料に不足があると、不足情報について教えてくれる
  • 輸入税番判断の根拠も教えてくれる
  • 経験的に、問い合わせから24時間以内には回答が来る
  • 法的拘束力はない
ゆうき
ゆうき

私自身数十回は利用していますが関税鑑査官の判断が間違っていたことはありません。
非常に信頼できるサービスです。

正式名称は電子メール、窓口または電話による照会(参考情報として税番を知りたい方)であり、税関HP-税番(関税分類)・税率に関する相談・お問合せ-ページ下部に案内があります。
※リンク先は東京税関の場合。

関税を安くする制度がたくさんある。代表的なのはEPA(経済連携協定)

関税を安くする様々な制度が存在します。
輸入者が最も興味関心を持つのがこれらの制度です。

ゆうき
ゆうき

実はもっと安い関税で輸入することができたのに、余分に関税を支払っていた。。。
なんてことが発覚すると大問題に。。。

通関士が必ず知識を蓄え、毎回確認しなくてはならないポイントです。

最も頻繁に通関士が関わる制度はEPA(経済連携協定)です。

EPA(経済連携協定)は特定の国や地域との間で貿易や投資を促進するための条約です。
具体的な例としてTPP協定・EU協定が挙げられます。

このEPAを日本が結んでいる国・地域を原産地とする輸入貨物に関しては、通常よりも安い関税で輸入できる可能性があります。

2021年7月現在、17のEPAが運用されており、通関士はその知識の習得を迫られます。

まとめ

この記事では関税を通関士目線で解説しました。

ポイントはこんな感じです。

  • 関税はモノを輸入するときに納めなくてはならない税金
  • 通関士は関税の計算・税関への納付を輸入者を代理して行う
  • 通関士は輸入税番を判断し、関税率を確認する
  • 関税を安くする様々な制度が存在し、代表的なものがEPA(経済連携協定)
ゆうき
ゆうき

以上で幕引きにござる

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