未経験で通関士になる!いつ慣れる?大変?魅力は?現役通関士が解説

通関士の仕事内容

こんにちは、通関士のゆうきです!

この記事はこんな疑問を持つ方向けの記事です。

未経験で通関士になるってどう?
仕事に慣れるまでどれくらいかかる?
はじめに苦労することは?
どんな魅力がある仕事なの?

私のこんな経験を元としています。

3年間事務員として勤務、現在は通関士2年目。
通関士資格を取得後、通関士として勤務。
通関士になってから精神的に安定している。

この記事でわかるのはこんなことです。

新人通関士が戦力になるには3ヶ月程度かかる。
不慣れで辛いのは他部署からの問い合わせに答えられないことだけ。
通関士は生活面・メンタル面どちらも非常に安定する仕事。

通関士として戦力になるまでの期間はたった3カ月

通関士として戦力になるまでの期間は約3カ月。
『使えない新人』として見られる期間は短いです。

ゆうき
ゆうき

通関士は専門的な業務を取り扱います。
一人前になるまでは数年間の経験を必要とします。

ただ、戦力として活躍するまでに時間はそんなに必要ではありません。
理由は次の3点です。

  1. 手はかかるけど簡単な通関業務が多い
  2. 輸出入申告業務のやり方が全て共通
  3. 基本的な業務手順はで全て税関HPで公開されている

それぞれ見ていきます。

手はかかるけど簡単な通関業務が意外に多い

新人通関士には簡単な通関業務が集まります。
簡単な通関業務の量がかなり多いのです。
経験の浅い通関士でも対応可能な業務がたくさんあります。

ゆうき
ゆうき

『輸入関税のかからない』通関業務は簡単です。
関税を安くする制度の利用が無く、貿易規制も少ない傾向があります。

単純な業務手順を覚えるだけで、実務をこなすことができます。

税関HPに主な商品の関税率が紹介されてます。
輸入する際に関税のかからない貨物が結構あるのです。
参考:税関HP 主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー)

新人通関士でも取り掛かれる通関業務がたくさんあります。
こういった案件を大量にこなすことで、経験が浅い通関士も活躍することが可能です。

輸出入申告業務のやり方が全て共通

通関士がメインで行う輸出入申告業務のやり方はどんな貨物でも共通です。
原則となるやり方が定められています。

輸出入申告業務はNaccs(ナックス)と呼ばれる専用システムで行われます。
Naccsは一般企業・税関で共通して使用されているシステムです。
どんな貨物を輸出入申告する場合でも、Naccsを使用するのです。

操作手順が共通のため、輸出入貨物が異なっていても通関業務の手順は同じ。
そのため、簡単な通関業務を1つこなせるようになれば、他の簡単な通関業務にも対応できるようになります。

ゆうき
ゆうき

通関士は担当貨物ごとに深い知識が必要と言われます。
ただ、それは高い関税率の設定された貿易規制の厳しい貨物の話です。

新人通関士に任される簡単な通関業務に深い専門知識は不要です。
1つ輸出入申告のやり方を覚えれば、他の案件も同じように処理が出来てしまいます。

知識の浅い通関士でも、1つ輸出入申告が出来るようになると、芋づる式に出来る案件が増えていくのです。

基本的な業務手順はで全て税関HPで公開されている

基本的な輸出入申告業務のやり方は完全にオープンです。
税関HPで基本となる通関業務のやり方は全て網羅されています。

ゆうき
ゆうき

先輩通関士の教え方が悪い場合でも、業務習得に影響しません。
特に基本的な輸出入申告案件は独力で調べて対応可能です。

【よくある業務習得を難しくする要因】
業務マニュアルが無く、先輩社員に教えてもらうしかない。
先輩社員の教え方が分かりにくい。
教えてもらったことが間違っている。

通関士の基本的な業務マニュアルは税関HPにたくさん準備されています。
先輩社員に教わることが出来なくとも、独力で調べて対応可能な水準の資料です。

基本的な輸出入申告に関しては、自分自身で業務手順を入手できます。
新人通関士一人でも業務習得が可能です。

新人通関士が唯一困ること『他部署からの問い合わせ』

新人の通関士が唯一困るのが『他部署からの問い合わせ』です。

通関士として勤務すると貿易関係の法律に関する問い合わせを受けます。
この問い合わせに答えることが、通常業務をこなすよりも全然難しいです。

新人通関士が精神的に苦労するポイントとなるでしょう。

苦労するポイントは3つです。

  1. 新人通関士も法律の専門家と勘違いされる
  2. そもそも通関士試験範囲外の問い合わせが多い
  3. 他部署から嫌味を言われて悔しい思いをするのは避けられない

それぞれ見ていきます。

新人通関士も法律の専門家と勘違いされる

他部署から見ると通関士は全員法律の専門家です。
貿易に関する問い合わせをすれば返答が出来て当然だと勘違いしています。

新人通関士でも分けのわからない質問を受けることになるのです。

質問の内容は多岐に渡ります。

【実際に受ける質問】
・通関に関すること
・輸入者の官公庁に対する手続きのこと
・海外の公式書類発行機関のこと
ゆうき
ゆうき

何故通関士が知ってると思う?と言いたくなるものが多いです。
海外の公式書類発行機関の内部事情なんて、知りようが無いですからね。

他部署の人間から見ると答えられて当然なのです。
相手は貿易業界唯一の国家資格職『通関士』なのですから。

通関士は貿易に関することを何でもわかる専門家と勘違いされます。
新人通関士も難解な問い合わせを受け、ストレスを抱えることが多いです。

通関士試験で学ばない内容の問い合わせばかり

通関士には他の部署では判断がつかない問い合わせが集まります。
そのほとんど通関士試験の範囲外テーマなのです。

この質問に答える時、通関士の経験が試されます。

ゆうき
ゆうき

通関士は有資格者なのだから答えられるのでは?と疑問を持つ方も多いでしょう。
私も昔はそう考えていましたし、質問者もそのように考えています。

しかし、経験の浅い通関士だとまず答えられません。
ほとんどの質問内容が通関士試験と全く関係無いからです。

【通関士試験では答えられない質問】
・接着剤を輸入するときの国内規制は?
・牛乳をアメリカに輸出するときに必要な書類は?

接着剤に対する規制は厚生労働省や経済産業省の管轄。
牛乳は動物検疫所やアメリカのFDAという機関の管轄なのです。

通関士の試験では税関の管轄をメインで問われます。

【通関士試験で問われること】
・輸入規制をクリアしている接着剤を税関に輸入申告する方法
・輸出規制をクリアしている牛乳を税関に輸出申告する方法

通関士は貿易に関係する全法律のエキスパートと勘違いされています。
そのおかげで専門外の知識まで問われることに。

専門外の問い合わせに対し、新人通関士は完全な素人。
答えられないのも当然なことです。

他部署から嫌味を言われて悔しい思いをする

新人通関士は必ず他部署から嫌味を言われます。
問い合わせを受けても答えることができませんからね。

【新人通関士が言われる嫌味】
『勉強不足なんじゃないですか?』
『本当に通関士資格受かってるんですか?』
『もう他の通関士に聞くのでいいです』

新人の通関士が一番つらいのは『嫌味』を言われる時です。

ゆうき
ゆうき

問い合わせに答えるためには通関士試験の勉強をしても効果なし。
経験を積み、一つずつ知識を増やしていくしかありません。

新人通関士の唯一辛いこと。
それは問い合わせに答えられず悔しい思いをすることです。

なってみて気が付く通関士の魅力『抜群の安定感』

通関士として勤務すると、その魅力『抜群の安定感』に気が付きます。

確かに通関士は年収や出世のしやすさという面ではイマイチです。
ただ、働きやすい環境で安定した生活を送ることが出来ます。

実際に勤務して強く感じた安定感は次の5つです。

  1. 年収500万円程度の求人が安定してある
  2. 異動・転勤が少ない
  3. 業務内容は法律順守・嘘が不要
  4. 年齢に関係なく働ける
  5. 真面目、勤勉、正直が評価される

それぞれ見ていきます。

年収500万円程度の求人が安定的にある

通関士の実務経験があると年収500万円程度の求人にありつけます
300万円以下や、700万円以上の求人はガクッと減りますね。

ゆうき
ゆうき

勤務する会社が潰れても、安定した収入は確保できます。
転職後も業務内容が変わらず、ミスマッチも起きません。

年収500万ラインの求人が豊富な理由は2つです。

  1. 通関実務経験は希少であり、それなりの年収を提示される
  2. 専門知識を要求されるため、管理職待遇の求人は少ない

それぞれ紹介します。

通関実務経験は希少であり、それなりの年収を提示される

通関士は育成に時間がかかります。
一人前になるまで最低5年は必要と言われていますね。

資格試験で問われる知識だけでは全く足りません。
現場で求められるのはより具体的な手順と知識です。

通関士は日本に8000人程度しか存在しません。
十分な経験を兼ね備え、転職を希望する人材はさらに希少です。

その希少性のため、通関士の求人は安定して500万円程度で推移しています。
それ以下の金額を提示すると人材が集まりません。

専門知識を要求されるため、管理職待遇の求人は少ない

通関士に高年収の求人が無い理由は管理職要因として期待されないからです。
マネジメント能力ではなくスペシャリストとしての能力を求められています。

通関士は専門性に特化すべき職種です。
そのため何でもできるスーパーマンを求める好待遇の求人は存在しません。
収入面でのキャリアアップは見込めないことがはっきりしています。

通関士は経験で得たスキルを期待され雇用されます。
転職後のミスマッチが生じにくく安定感がありますよ。

高収入とはなりませんが、コツコツ安定した生活を送れる点が魅力です。

異動・転勤が少ない

通関士は人事異動が極端に少ない仕事です。
通関士は業務内容や勤務地の変更がほとんどありません。
生活リズムと生活環境が安定します。

その理由は配属希望者が少ないからです。
実は通関部門を希望する人材自体がレアだったりします。

ゆうき
ゆうき

通関業務は業務内容が専門的で、継続的な学習を必要とします。
興味が無い人にとっては苦痛でしかないでしょう。

希望していない通関部門に配属され、退職するケースも多々あります。
企業は通関部門の人員をむやみに動かせないでしょう。

通関士は異動が少ないです。業務内容・勤務地が安定します。

業務内容は法律順守・嘘が不要

通関士の業務に嘘は不要です。
法律を遵守した対応が求められます。

法律の抜け目を見つけ、グレーゾーンの輸出入を狙うなんてご法度です。
通関業務は罰則が厳しく、お客様も巻き込んで営業停止になることもあります。

ゆうき
ゆうき

ほとんどのお客様が営業停止処分等のリスクを恐れ、法律順守の通関サービスを求めています。

通関士は仕事を嘘でごまかす必要がありません。
しっかり法律を調べ、適切な対応をお客様に提示することが求められます。

通関士は人間性を損なわずに済むという点で安定しています。

年齢に関係なく働ける

通関士は年齢を理由に業務上不利になりません。
経験年数が長い方が活躍できます。

通関業務には腕力も体力も要さないからです。
実際に60を過ぎてもエースとして活躍する通関士はたくさんいます。
長年の経験で培った知識を活かして何年でも第一線で活躍できるのです。

通関士は年齢の増加とともにパフォーマンスが落ちる業務ではありません。
安心して長く働ける職業です。

真面目、勤勉、正直が評価される

コツコツ積み上げていくことのできる方が通関士として評価されます。

【通関士として評価される人】
・真面目に目の前の仕事を丁寧にミスなくこなす。
・コツコツと法律に関する知識を増やす
・常に法律に基づき真っ当な対応をする

こういった部分が評価されない仕事も多いです。

ノリと雰囲気で面倒ごとを誤魔化し、手柄だけ持っていく。
そんなことが通関士には起こりません。

通関士は法律に基づいて物事を判断し、一人で業務をこなす仕事です。
手柄を奪われるといったこともありえません。

通関士はアピールの苦手な人でも実力を認められる仕事です。
内向的な方は精神的に安定した勤務を出来るでしょう。

まとめ

この記事では未経験で通関士になって感じることについて紹介しました。

ポイントはこんな感じです。

  • 新人通関士が戦力になるには3ヶ月程度かかる。
  • 不慣れで辛いのは他部署からの問い合わせに答えられないことだけ。
  • 通関士は生活面・メンタル面どちらも非常に安定する仕事。
ゆうき
ゆうき

以上で幕引きにござる

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