【合格して人生を楽に!】通関士試験の概要・難易度・メリット・将来性

通関士試験
通関士資格ってどんな資格?
通関士資格の難易度・必要な学習時間は?
取得メリットは労力に見合う?

通関士は貿易関係で唯一の国家資格。
物流・貿易企業から最も評価される資格です。

通関士は合格率10%の難関資格であり、合格までに400時間程度の学習が必要となります。
あなたの時間を無駄にしないよう、学習を始める前に十分な情報収集をしましょう。

この記事を読むことで、あなたは通関士試験を受験すべきか判断するための情報を全て手に入れることができます。

ゆうき
ゆうき

通関士試験に合格後、現在は通関士として勤務している私が詳しく解説します。

通関士は貿易の法律に関する知識を問う国家資格試験

通関士資格は輸入税の確保を目的として1967年に日本が制定しました。
合格者は『通関士』として勤務する権利を得ることができます。

主な受験者層は次の通りです。

  • 通関士を目指す方
  • 貿易事務担当者
  • 商社、メーカーの貿易部門の方
  • 関税コンサルタントを目指す方
  • 貿易関係の仕事に就職・転職希望の方

通関士試験の役割は『通関士になるため』だけにとどまりません。
貿易関係の仕事をしている方がキャリアアップのために受験するという側面もあります。

受験資格は無い。誰でも受験ok!

通関士試験に受験資格は定められていません。

誰でも受験出来る試験となっています。
学歴・年齢・経歴・国籍等の制限が一切ありません。

通関士として勤務する場合、一部規制があるため注意してください。

通関士試験は毎年10月第1日曜日に実施

通関士試験は毎年10月の第1日曜日に開催されます。

1年に1回の試験なので、申し込みに不備があると悔やみきれません。
7月中旬ごろから税関HPで受験案内が公開されるため、必ずチェックしましょう。

具体的な通関士試験の申込方法はこちらの記事へどうぞ。
通関士試験申込方法を現役通関士が紹介!! 願書の入手が面倒。。。

回答方法はマークシート方式

通関士試験は全てマークシート方式で回答を行います。
記述式問題は実施されておりません。

問題形式は大きく分けて次の3つです。

  1. 文章の空欄に当てはまる語句を選択する問題
  2. 問題文の正誤を判断する問題
  3. 支払うべき輸入税を計算する問題

暗記力と計算能力が必要とされます。

試験科目は3科目

通関士試験の試験科目は3科目です。

  1. 通関業法
  2. 関税法等
  3. 通関実務

それぞれ見ていきましょう。

通関業法では『通関業者の規制』を問われる

通関士試験の1科目目は通関業法です。

通関業法の内容を一言で表すと『通関業者の規制』です。
例えば、通関士の設置義務・通関士の確認などがこの法律で定められています。

通関業法の目的は法律内で次のように規定されています。

以下、通関業法より引用。

第一条 この法律は、通関業を営む者についてその業務の規制、通関士の設置等必要な事項を定め、その業務の適正な運営を図ることにより、関税の申告納付その他貨物の通関に関する手続の適正かつ迅速な実施を確保することを目的とする。

通関業法の原文はこちらで確認できます。→通関業法リンク

関税法等では『輸出入のルール』を問われる

通関士試験の2科目目は関税法等です。

関税法の内容を一言で表すと、『輸出入のルール』です。
例えば、密輸の定義や輸入時に支払うべき税金などが定められています。

関税法の目的は法律内で次のように規定されています。

以下、関税法より引用。

第一条 この法律は、関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出及び輸入についての税関手続の適正な処理を図るため必要な事項を定めるものとする。

関税法の原文はこちらで確認できます。→関税法リンク
正式な試験科目名は関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)です。
関税法を中心に、他の法律知識も問われます。

通関実務では『通関業務の実務能力』を問われる

通関士試験の3科目目は通関実務です。

通関実務の内容を一言で表すと、『通関士の実務能力を判断する問題』です。
輸入税の計算方法をメインで問われることになるでしょう。

出題範囲とされる法律の指定はありません。
現役の通関士でも答えられない難問が頻繁に出題される科目です。

【重要】合格条件は『全科目60%以上の得点率』

通関士試験は全科目で60%以上の得点を取ることで合格できます。
1科目でも59%以下の得点しか取れなければ、不合格となる試験です。

3科目の合計点数で60%以上を取ればよいわけではありません。
受験生が苦労するのは『通関実務で60%以上の得点を取ること』です。

通関士試験は全科目を満遍なく学習する必要があることを覚えておいてください。

通関士試験の難易度・勉強時間は?

通関士は合格率10%前後の難関資格試験

通関士試験の合格率は例年13~15%。
低い合格率を誇る資格試験として有名です。

科目免除を利用しない、3科目受験の合格率は10%程度と言われています。

通関士試験には科目免除制度があります。
5年間の通関実務経験があると1科目を免除。
15年間の通関実務経験があると2科目を免除。

合格率10%の通関士試験は間違いなく難関。
取得には真剣な学習が必要となります。

通関士試験は合格率10%の難関資格。
とにかく『合格率が低い』資格試験だと理解してください。

【低い合格率の原因】学習のモチベーション維持が最難関

勉強のモチベーションが保てず、挫折する受験生が後を絶ちません。
通関士試験の合格率が低くなる1番の要因です。

勉強のやる気が無くなる理由は次の通り。

  • ライフスタイルの変化。
  • 合格には実務に役立たない知識を覚える必要がある。

通関士試験の受験生は大半が社会人です。
こんなことを言いながら勉強時間を減らしていきます。。

仕事が忙しくなって勉強時間が確保できない。

通関士試験の基礎学習で実務に活かすためなら十分。

学習のモチベーションについてはこちらの記事で紹介しています。
通関士試験の難易度が高くなる理由を解説! 問題自体は難しくない!

基本的に通関士試験の問題はそこまで難しくありません。
時間をかけて学習すれば誰でも『合格ライン』の点数を取れます。

数年に一度、通関実務で難問が出題された場合は別です。
有識者でも誤答するレベルの奇問が出題されています。
その場合は、どれだけ準備しても不合格となるかもしれません。

通関士試験は誰でも真面目にコツコツ準備すれば必ず合格できます。
最短で3カ月・最長で3年、あなたは我慢強くコツコツ勉強できますか?

400時間の学習で運がよければ合格

通関士合格に必要とされる勉強時間は400時間です。
『確実に合格できる』時間では無い点に注意してください。

通関士試験は年度によって試験難易度が大きく異なります。
何時間学習をしても合格できない年度があることは理解してください。

通関士試験に必要な勉強時間についてはこちらの記事で紹介しています。
【通関士試験】合格に必要な勉強時間は戦略で変わる【何回受ける?】

通関士試験の最大の特徴は『数年に一度、申告書問題で奇問が出題されること』です。
十分な勉強しても『運』だけで不合格となるリスクがあります。

通関士資格を取得するメリット5つ

実務未経験で通関士資格を取得するメリットは5つあります。

  1. 貿易・物流企業への就職活動で有利
  2. 通関課へ人事異動をする際に有利
  3. 応募可能な求人の幅が広がる
  4. 貿易・物流企業での出世に有利
  5. 難関資格に合格したという自信につながる

それぞれ見ていきます。
あなたにとって、資格取得の労力に見合う内容か見定めてください。

貿易・物流企業への就職活動では大きな強みになる

物流企業や貿易関連企業への就職活動では大きなアピールポイントになります。

物流・貿易企業は次の理由で通関士資格を評価します。

  • 業界研究をしっかり行った。
  • 早い段階から貿易業界を意識していた。
  • 真剣に学習を進めた。

就活では通関士資格より重視されるものがあります。
学歴・英語力・体育会経験などです。

ただ、これらは大学生になってからの習得が難しいでしょう。
通関士資格は学生時代の努力で習得できる『目に見える強み』です。

通関士資格取得をお勧めする学生はこんな人です。

  • 貿易業界の中でも高難易度の企業に入社したい学生
  • 学歴や英語力に弱みを持つ学生
通関士資格を活かせる就職先についてはこちらの記事で紹介しています。
【就活生向け】通関士資格を活かせるおすすめ就職先は?現役通関士が解説
通関士資格は貿易・物流企業の就職活動で力を発揮します。
学生生活を数か月犠牲にしても、十分メリットがあるでしょう。

通関課への部署異動で希望がほとんど通る

通関課への部署異動を希望する方は資格取得がお勧めです。
人事異動に直結するアピールポイントとなります。

通関課は社内の通関士資格保有者を把握しています。
人員を補充しようとする場合、合格者が最有力候補です。

通関士資格を取得すると通関課長からアプローチがあるかもしれません。

私の場合はこんなことがありました。

合格後すぐに通関課長から『おめでとう!』電話。
当時の上司に通関課長が異動を打診してくれた。

資格取得者は自然と話題になるので、異動希望を言い出しやすい雰囲気にもなります。

通関課への異動を実現したい方には資格取得がお勧めです。

応募できる求人が幅広くなる

通関士資格があると、応募できる求人の幅が広がります。
通関士・貿易事務の実務経験があれば鬼に金棒です。

実務経験のある有資格者は転職市場で大いに評価されます。
実務未経験でも応募可能な求人が見つかり、実務経験に繋がるでしょう。

通関士の転職事情についてはこちらの記事で紹介しています。
通関士の仕事がない?現役通関士が転職サイトに登録して実態を調査した。
通関士の正社員求人は少ないことに注意してください。
通関課を抱える企業には有資格者がゴロゴロ在籍しています。
通関士は『転職』ではなく『人事異動』で補充するケースが多いです。

『通関士資格+通関実務経験』の組み合わせは転職時に絶大な効果を発揮します。
ただ、通関士資格を取得しても、実務未経験だとさほど評価されないことに注意が必要です。

貿易・物流企業の会社員の人事評価が上がる

通関士資格取得が社内評価upに繋がるでしょう。
昇格条件になっている企業もあります。

貿易・物流業界は基本的にルーティーンワーク。
目に見える成果をほとんど上げることができません。

人事評価の基準が不明確な企業が多いのではないでしょうか。

通関士資格は貿易関連企業で評価される数少ない資格の一つです。
必ずあなたの評価を押し上げることに繋がります。

通関士資格は貿易・物流企業の出世に役立ちます。
あなたの会社の役員が通関士資格を保有しているか、チェックしてみてください。

難関資格に合格したという自信が付く

難関資格『通関士試験』に合格したという自信が付きます。

通関士は90%近くの受験生が不合格となる難関資格です。
あなたは『難関資格』のレベルを体感することができます。

通関士試験より難易度の高い資格試験はそんなに多くありません。

あなたがもし他の資格試験にチャレンジしたいと考えた際、通関士試験と比較することで相対的に難易度を体感することができます。

難関資格がどんなレベルなのか知れるのは非常に大きなメリットです。
合格できると自分の能力に関する悩みが薄れます。

通関士資格の将来性が無いわけない

通関士資格で身に付く知識はまだまだ役立ちます。
貿易が無くなる未来は想像できないからです。

通関士資格は通関士になるためだけに取得する資格ではありません。
貿易で必要不可欠な『通関を取り巻く法律』を学べる資格です。

通関士資格に将来性が無いとする意見の根拠は『通関士の仕事がAIに奪われる』というものでしょう。
現役通関士の私としては違和感が残る主張です。

通関士の現場で起こっていることはこちらの記事で紹介しています。
通関士は将来なくなる?今までも需要は少ないけど仕事は減ってない現実

百歩譲って通関士の仕事が無くなるとしても、貿易の仕事は残り続けるはずです。
通関士試験・通関士試験で身に付く知識は貿易に不可欠のものです。

通関士経験で身に付くスキルはこちらの記事で紹介しています。
通関士経験は貿易業界で重宝される転職スキル!身に付く知識を紹介。

通関士資格にはまだまだ将来性があり、役立つ資格です。
貿易関係の仕事に就きたい・貿易企業でキャリアアップしたいという方におすすめします。

通関士試験について総まとめ

この記事では通関士資格の概要・難易度・メリット・将来性について解説しました。

ポイントとなるのはこんなところです。

  • 通関士資格は日本の貿易を支える人材を認定するために設立された資格
  • 受験資格は無い。誰でも受験ok!
  • 試験内容は貿易に関する法律知識を幅広く問われる
  • 試験の問題は難しくないが、合格は難しい
  • 幅広い物流・貿易の仕事でメリットを受けることが出来る
  • まだまだ通関士資格の知識は活かせる!
ゆうき
ゆうき

通関士資格は安定した生活を送りたい方におすすめです。

派手さはありませんが、いつの時代も必ず需要があるスキルを習得できるでしょう。

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