レア職業『通関士』社会的役割・仕事内容・将来性・向いてる人を紹介

通関士の仕事内容

こんにちは、通関士のゆうきです!

この記事はこんな疑問を持つ方向けの記事です。

国家資格の通関士って何?
どんな仕事内容なの?
近い将来無くなる仕事ってホント?
どんな人が向いてるの?

私のこんな経験を元にしています。

事務員を3年経験。
通関士資格を取得後、通関士になる。
通関士の社会貢献性の高さ・身に付くスキルの希少性に満足している。

この記事でわかるのはこんなことです。

通関士は貿易の専門家として日本に認められた人材。
輸出入申告は通関士にしか認められていない仕事。
通関士は無くならない。むしろ将来性が高い仕事内容。
通関士は向き不向きのはっきりした仕事。
正確性、勤勉さ、根気が通関士に求められる最低限の適正。

通関士の役割は?

通関士は国家資格です。
通関士には国から期待される役割があります。

【通関士の役割】
通関業者に所属し、正しい輸出入申告を行う貿易の専門家

次の3つを知っておくと理解しやすいです。

  1. 通関士は貿易の専門家
  2. 通関業者は輸出入申告の代行業者
  3. 通関士制度が設立されたのは『輸入税を確保するため』

それぞれ見ていきましょう。

通関士は貿易の専門家

通関士は『貿易規制・輸入税に関する一定水準の知識がある』と国が認めた人材です。
通関士が貿易書類をチェックし、税関に提出する体制が構築されています。

貿易取引にはたくさんの規制や税金制度が存在します。

ゆうき
ゆうき

海外旅行帰りに空港で食べ物を押収されたとか、密輸業者が摘発されたなんて話を聞いたことがある人も多いはず。

日本の貿易を取り締まるのが税関です。
全ての貿易取引は税関に届け出る必要があります。
いわゆる輸出申告・輸入申告を税関に行わなければなりません。

【輸出入申告を行うことが出来るもの】
・輸出入を行う者
・通関業者

通関士は民間企業である通関業者に所属し、輸出入申告書類の作成・審査を行います。
税関に適切な輸出入申告をするため、民間側の最終チェックを担うのです。

ゆうき
ゆうき

税関のHPでも、通関士の役割がしっかり明記されています。

参考:税関HP 通関士制度の概要(カスタムスアンサー)

通関士は貿易規制・税制に関する専門家としての役割を担います。
国家資格【通関士資格】に合格し、通関業者に勤務することが通関士の条件です。

通関業者は輸出入通関を代行する企業

通関業者は輸出入者の代行で通関業務を営む民間企業のこと。
国から営業の許可を受ける必要があります。

『貿易する貨物は全て税関に申告しなければならない』と定められています。
この輸出入申告に必要な処理こそが通関業務です。

通関業務は輸出入者自身も行うことができます。
具体的にはメーカーや商社が該当することが多いです。

ゆうき
ゆうき

輸出入者が通関業務を行うことは少なく、代行業者に依頼をします。
専門知識を要する、リスクの大きい業務であることが理由でしょう。

輸出入の代行業者として活躍するのが『通関業者』。
通関業務の代理代行は、通関業者しか行うことができないと法律で定められています。

通関業者は『適正な通関業務を運営できる』と財務大臣に認められる必要があります。
また、通関業者は営業所ごとに最低1人は通関士を設置しなくてはなりません。

税関のホームページでも、通関業者の概要がしっかり明記されていますよ。
参考:税関HP 通関業者の概要(カスタムスアンサー)

輸出入者の通関業務を代行するのが通関業者です。
日本から営業の許可を受けなくてはならないため、安定した経営基盤・高いコンプライアンス意識を持つ必要があります。

通関士制度が設立されたのは『輸入税を確保するため』

通関士制度が設立された理由は、『輸入税の納付方法変更』です。

1966年に輸入税の納付方法が変更されました。
いわゆる賦課課税方式から申告納税方式への変更です。

ゆうき
ゆうき

賦課課税方式の時は税関が全て輸入税額を確認していました。
申告納税方式を採用したことで、輸入者が納税額を自己申告する運用に変更されることに。

輸入の件数が増加し、税関の事務処理が追い付かなくなったようです。

輸入者は税関に『輸入申告 + 輸入税を支払う』必要があります。
輸入申告をしないと密輸、輸入税を誤魔化すと脱税です。
国の収入となる輸入税を徴収するため通関士制度が開始されたのです。

日本が通関士・通関業者に期待するのは『適正な貿易取引』『輸入税の確保』を実現することです。
民間企業に所属しつつ、やや公務員的な業務側面も持ち合わせた職業と言えます。

通関士の仕事内容は?

通関士の業務内容は輸出入申告だけではありません。
所属する通関業者の業務内容に依存することになります。

通関士の業務内容を把握するために、次の内容を紹介します。

  1. 通関業者の業務には『通関業務』『通関関連業務』がある
  2. 『輸出入申告書類の最終チェック』が出来るのは通関士だけ

それぞれ見ていきましょう

通関業者の具体的な業務内容

通関業者の代表的な業務は通関業務と通関関連業務です。
どちらも貿易には必須の業務となります。

ゆうき
ゆうき

隅々まで詳しく知りたい方は、税関のHPに詳細があります。
参考:税関HP 通関業務、関連業務の範囲

大きな違いは通関業務は通関業者しか対応できない点です。
ここでは通関士の実務で頻繁に登場するものを紹介していきます。

  1. 通関業務とは?
  2. 通関関連業務とは?

それぞれ見ていきましょう。

通関業務とは?

通関業務は貨物の輸出入に関する届け出を税関に行うことを言います。
代表的なものは『輸入申告』『輸出申告』です。

この通関業務は通関業者でないと行うことができません。
【代表的な通関業務】
・輸入申告書の作成・輸入申告
・輸出申告書の作成・輸出申告
・修正申告(申告した輸入税が少なかった時の追加納税)
・更正請求(申告した輸入税が多かった時の返還請求)

通関関連業務とは?

通関関連業務は通関業務に付随して必要となる業務を言います。

この業務は誰でも対応することができます。
ただ、通関業務とのシナジーが強いため、通関業者が行うことがほとんど。
【具体的な通関関連業務】
・事前教示照会業務(輸入貨物に関する税関への事前相談)
・保税運送申告手続(外国貨物を日本国内で運送するための申請)

通関士にしか出来ないこと

通関士にしか出来ない業務があります。
代表的なのは『輸入申告書・輸出申告書の最終チェック』です。

通関業者には通関士資格を取得していない方もたくさんいます。
通関従業者と呼ばれます。

ゆうき
ゆうき

通関士約8000人、通関従業者約8000人、合計16000人で日本の貿易を支えています。
参考:税関HP 通関士の現況(カスタムスアンサー)

通関士と通関従業者の違いは、対応できる業務に規制がある点です。
通関士にしか出来ない業務は法律でいくつか定められています。

大きく実務で出る差は一点のみ。
通関士は輸入申告書・輸出申告書の最終チェックができる』という点です。

通関士は社内的にも社会的にも大きな責任を負う仕事です。
輸出入申告の最終的な確認は通関士しか行うことができません。

職業『通関士』の将来性は?

通関士は将来性のある職業です。
通関士は近い将来なくなる仕事とも言われますが、現場でそんな兆しは一切ありません。

通関士の将来性が高い根拠は次の通りです。

  1. 通関士が身に付けるスキル価値が高い
  2. 通関業務の自動化が難しく、一向に進んでいない
  3. 単純な通関業務の自動化が進めば、通関士の価値はさらに上がる

それぞれ見ていきましょう。

通関士経験で身に付く知識は物流・貿易業界の最高峰

通関士経験で身に付く知識は物流・貿易業界では重宝されます
それもホワイトカラーの業務でです。

通関士は物流・貿易業界の知識人です。
社内の誰もが法律面の相談を通関士に行います。

通関士のスキル・強みはその経験に裏付けられた知識です。
通関士はその知識を活かして別のフィールドで活躍することもできるのです。

そのため、通関士の市場価値は高まります。
実務で使える知識を有する人材として転職市場で評価されるでしょう。

通関士という仕事が無くならない根拠2つ

通関士という仕事は今後も無くならないと予想されます。

【通関士が無くならない根拠】
・単純業務は無くなるが、知識人としての役割は残り続ける
・通関士の設置義務が法律で定められている

それぞれ見ていきましょう。

単純業務は無くなるが、知識人としての役割は残り続ける

企業が効率化しようとする通関士の仕事は一部です。
それは単純な通関業務であり、知識を問われる業務は全く自動化されていません。

【通関士の社内的役割】
1. 通関業務
2. 法律面の問い合わせ対応

それぞれどのような扱いを受ける業務なのか見ていきます。

★単純な通関業務は完全に自動化されるかも。。。

一つ目の通関業務は通関業者で重宝される経験です。
ルーティーンワークが多く、この部分は自動化されるかもしれません。
通関士が将来無くなる仕事にランクインしているのも、この部分が理由でしょう。

★法律面の問い合わせ対応は自動化の兆しが全くない

二つ目の法律面での問い合わせ対応が物流・貿易業界で重宝される経験です。

通関士のもとには毎日問い合わせが集まります。
メーカーや商社の貿易部門、物流企業の営業が判断できない法律的な意見を通関士が調査するのです。

ゆうき
ゆうき

通関士に将来性が無いとするのは、この部分を考慮にいれていないのでは?と考えています。

通関士の将来性が無くなる時、それは物流業界にロボットと作業員とAIしかいなくなった時です。
営業・貿易事務員も不要となっています。

通関士の設置義務が法律で定められている

通関士を設置することは法律で定められています。
密輸や脱税を防ぐための措置です。

完全に通関士が不要となるのは法律が変わった後です。

通関士は『利益を生み出すために生まれた』仕事では無いのです。
『法律で定められている』から存在する仕事なのです。

通関士という職業が無くなるためには法律の改正が必須になります。

仮に通関業務が全て自動化されたとしても、法律を変えるのは至難。
結局通関士の需要は残り続けるのではないかと考えられます。

ITシステムによる通関業務の効率化はむしろチャンス

現役の通関士たちは通関業務の自動化をむしろ望んでいます。

多くの通関士は自身の知識を元にお客様の課題を解決する時にやりがいを感じます。

ゆうき
ゆうき

これは他の仕事でも同じではないでしょうか。
単純なルーティーンワークよりも、自身の経験で人の役に立てる方がやりがいを感じませんか?

特に通関士はそれが自身の市場価値の向上につながります。

通関士の『通関業務』は徐々に自動化が進められます。
その分ますます、通関士は『法律面の問い合わせ』に対応する役割を背負うことになるのではないでしょうか。

結果として通関士の人数は減る、しかし一人一人の将来性は上がると考えられます。

通関士に向いている人が持つ資質とは?

通関士は貿易の専門家として特殊な仕事内容に従事します。
そのため、向き不向きが顕著に表れます。

通関課に異動・転職後、こんなはずじゃなかった、、、と後悔する人もいます。

ゆうき
ゆうき

『必須の資質4個』と『強みとなる資質3個』を紹介します。
是非、通関士の適正を測るための参考にしてください。

通関士に必須の資質4個

通関士に必須の資質が4個あります。

  1. 正確な事務処理をこなせる
  2. 調べごとが好き
  3. 難解な法律を実務に落とし込む根気がある
  4. 根拠を付けた説明が出来る

これらの資質が無いと通関士としては致命的。
当てはまらないものがある場合、通関士としての活躍は困難です。

それぞれ理由と一緒に見ていきましょう。

正確な事務処理をこなせる

事務処理をストレスに感じる方は通関士の実務が苦痛でしょう。

通関士の仕事の大半は事務処理です。
会話やメールをする時間は多くありません。

そのため、事務処理でミスの少ない方が通関士に向いています。

ゆうき
ゆうき

ミスをしない方がいいのはどの仕事も同じ。

通関士の事務処理は特殊というところが重要です。

【通関士の事務処理が特殊な理由】
・一人で黙々と1日7時間以上の事務処理を行う
・他人作成の書類不備を見落としても通関士の責任
・一字一句間違い無い書類を作成することが求められる
・通関士のケアレスミスは数百万以上の損失となることも

通関士は長時間、一人で、正確な事務処理を求められます。
英字を1文字打ち間違えただけで、数百万以上の損失に繋がります。

事務処理を正確にこなせることが通関士に向いてる絶対条件です。
事務ミスの多い方は通関士になってから後悔していますよ。

調べごとが好き。知識欲が強い。

通関士は調べごとを頻繁にします。
対象は貿易関連の法律についてです。

貿易関連の法律は幅が広く、一人の頭に収まりきる量ではありません。
通関士は新規案件が来るたび、その貨物の貿易規制を1から確認をしています。

『通関士試験の合格で十分では?』と勘違いをしている人も多いです。
通関士試験と実務で使う知識は全く別物です。

通関士試験よりも膨大な範囲の法律を現場では取り扱います。
通関士は新規案件のたび、法律を読み込むのです。

ゆうき
ゆうき

『規制があることを知らなかった』は言い訳になりません。
税関は容赦なくペナルティを与えてきます。

貿易規制の調査は通関士の必須能力です。
調べごとを苦にしない知識欲の強い方は通関士に向いてると言えます。

難解な法律を実務に落とし込む根気がある

通関士は法律を実務に落とし込む必要があります。
大切なのは根気です。

知識が豊富な通関士は頭が良い人とは限りません。
理解できるまで何度も法律と実務を照らし合わせているのです。

ゆうき
ゆうき

頭の良い人材は確かに法律をすぐに理解するでしょう。
ただ、それは実務で活きる知識ではありません。

【法律を理解して得る知識】
化学品を輸入する場合、輸入申告書に化審法番号を記載する。【実務で問われる知識】
化学品に該当するかどうかの判断方法は?
化審法番号の調べ方は?

法律を理解しただけでは実務で役立ちません。
大切なのは法律と実例を照らし合わせ、案件を1つずつ理解する根気です。

根気強く1つ1つ理解していくことが出来る方。
通関士に向いてると言えます。

法的根拠をつけて主張できる

通関士は法的根拠を何よりも大切にする必要があります。
法的根拠のある主張を出来ないと、仕事が進みません。

税関対応をする際にこの適性が問われます。
通関士は輸出入貨物について税関から問い合わせを受けます。

【具体的な税関からの問い合わせ】
・なぜこの輸入税番で申告したのですか?
・なぜこの貿易書類を提出しないのですか?
・なぜこの税額で申告しているのですか?

通関士の判断が正しいかを審査するのは税関です。
ここで返答をうまくできないと税関からペナルティが与えられます。

【通用しない言い訳】
今まではこの内容で指摘を受けなかった!
なんで前回はokで今回はダメなんだ!

大切なのは法的根拠を税関に伝えることです。

ゆうき
ゆうき

根拠法律のない輸出入申告は税関からの指導対象です。
勢いや雰囲気では税関職員を誤魔化せません。。

法的根拠のある行動をとることが通関士の絶対条件です。
これが出来ないと仕事が進みません。

通関士の強みとなる資質3つ

通関士として有利な資質が3個あります。
必須ではありませんが、あると活躍間違いなしです。

  1. 人に説明するのが得意
  2. PCスキル習得に意欲的
  3. 車の運転が好き
ゆうき
ゆうき

これらの資質があると有能な通関士扱いされます。
当てはまらないものがあっても気にしないでくださいね。

それぞれ理由と一緒に見ていきましょう。

人に説明するのが得意

通関士として経験を積むと、人に説明をする機会が増えます。
相手は自社の営業担当者です。

貿易取引では毎日のようにイレギュラーが発生します。
法律的に問題は無いのかを通関士は説明するのです。

ゆうき
ゆうき

法律を読み込み、自身は内容を理解している通関士はたくさんいます。
どんな方でも粘り強く経験を積めばそうなれます。

法律に詳しくない相手でもわかるように説明できる通関士は少ないです。
相手に伝える能力のある方は並外れた通関士として活躍できるはずです。

説明能力は社内で愛される通関士の資質です。

PCスキルの習得に意欲的

PCスキルが高い通関士は業務効率面で力を発揮できます。

通関士は業務の大半でパソコンを使用します。
Excelとテキストファイルをいじることが多いです。

【重宝されるPCスキル】
・Excel関数
・Excel vba
・WSH等のwindows用のログラミング言語

古くからある事務員向けの汎用的なスキルです。
私の経験則的にはExcel vbaが一番役立ちます。

通関士は物流業界で働いています。
物流業界のIT化は圧倒的に遅れているのです。

ゆうき
ゆうき

電卓と紙で仕事をする通関士はまだまだ現役でゴロゴロいます。。。
それだけ個人のPCスキルで効率化できる部分が多く残っています。

通関士はPCスキルで大きく業務効率を改善することができます。
改善できる業務は山ほどありますから。

PCスキルを用いた業務改善にやりがいを感じる方は通関士の仕事も楽しめるでしょう。

車の運転が好き

通関士は車の運転をすることが多いです。
貨物の現物検査や書類提出のため、税関・他の官公庁が行先となります。
通関業界ではランナー業務と呼ばれます。

基本的に通関業者は毎日のようにランナー業務が発生します。
運転に自信が持てないランナー業務担当者はかなり辛い思いをすることに。

ゆうき
ゆうき

目的地周辺の道は整備が進んでおらず、トラックだらけ。
ペーパードライバーには地獄のような経験かもしれません。

実は運転が出来ない通関士はかなり多いです。
私の周囲では80%以上の通関士が運転を断っています。

運転が苦にならない、むしろ気分転換になるという方は即戦力になれます。
さらに税関職員と交流でき、貿易の最前線での経験が必ずプラスに働きます。

気分転換にドライブに行く!なんて方は通関士としても頼られるでしょう。

まとめ

この記事でを通関士の役割・仕事内容・将来性・向いてる人についてお伝えしました。

ポイントは次の通りです。

  • 通関士は貿易の専門家として日本に認められた人材。
  • 輸出入申告は通関士にしか認められていない仕事。
  • 通関士は無くならない。むしろ将来性が高い仕事内容。
  • 通関士は向き不向きのはっきりした仕事。
  • 正確性、勤勉さ、根気が通関士に求められる最低限の適正。
ゆうき
ゆうき

以上で幕引きにござる

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