通関業務の辛いところは?
通関士試験に合格してないと無理?
通関士は日本に8000人しかいないレア職業です。
もちろん辛さもありますが、他の仕事とは異なる辛さが多いでしょう。
通関士の辛さを一言で表すと『大変なのに周りから褒められない』ことです。
人間関係・残業時間等では無い点に注意してください。
この記事を読むことで、あなたは『自分が通関士としての勤務に耐えることができるか理解すること』ができます。

事務員から通関士になり、大半のストレスから解放された現役通関士の私が詳しく解説します。
社内評価が低く出世に不利
通関部門は社内評価が低く、出世コースでは無いです。
もちろん出世した元通関士はたくさんいます。
ただ、その人も通関士時代の評価は低かったはずです。
通関士の出世事情は?現役通関士から悲しいお知らせです。
通関部門在籍時に身に着けた知識を活かし、他部門に異動してから評価されたのでしょう。
通関士になって評価が下がる代表的なケースはこんなものです。
- 他部署でそこそこ評価される社員が通関士資格を取得。
- その後通関部門に異動、通関課で異動前よりも大活躍する。
- 何故か異動前よりも評価が低くなる。
通関士は基本的に社内評価がつきません。
通関課のエース社員より、花形部門でそこそこの社員の方が評価されることが普通です。
周囲からの評価が気になってしまう方には通関士をお勧めできません。
いくら努力しても、実力未満でしか評価されませんから。
努力や成功を認められにくい
通関士は難易度の高い業務をこなしても褒めてもらえません。
無事に業務完了したからみんなで打ち上げ!なんてことはあり得ません。
通関士が褒められない理由は次の通りです。
- 1件の貿易取引に通関士は一人いれば十分
- 通関部門で協力して業務に取り組むことは無い
- 関係者は誰も通関業務の難易度を理解できない
周囲の通関士は『なんだかわからないけど大変そうだったね』。
他の関係者は『通関処理くらいミスなくやれよ』。
みたいな感じです。
通関士は人と関わらない仕事?客前に出ない現役通関士が解説!
チームで仕事に取組み、みんなで達成感を得たい方には通関士をお勧めできません。
業務の特殊性ゆえ、喜びを分かち合えないのが通関士の悲しいところです。
どんな仕事か理解されない
通関士は『どんな仕事してるんですか?』に対する返答が面倒。
何も知らない人に通関業務の説明をするのは結構難しいです。
貿易関係企業に勤める会社員でも、適切な説明を出来る人はほとんどいません。
『通関士』の仕事は他の有名な仕事と上辺だけ似ているからです。
通関士が勘違いされがちな仕事はこんなものです。
- 『税理士』のように税金の計算をする。
- 『税関』のように輸出入貨物のチェックをする。
- 『貿易事務』のように貿易書類を捌く。
通関士の仕事内容は他の有名な仕事の劣化版に見られます。
世間体や見栄えを気にする方にはお勧めできません。
『すごい!』『私も目指したい!』と通関士を考える人はかなり少数派ですから。
ミスへのプレッシャーが強い
通関士はミスに対するプレッシャーが強い仕事です。
通関士のミスは大問題になることもあります。
実際によくある通関士のミス起因の大問題は次の通りです。
- 単純ミスが積み重なり、会社自体が営業停止
- 書類作成ミスを見落とし、余分な税金を300万円納めてしまう
通関士は一人一人がこういったリスクと隣り合わせで業務に取り組んでいます。
どんな単純ルーティーンワークにも真剣に取り組むことを求められます。
細かい事務処理に集中できない方には通関士をお勧めできません。
単純な作業に取り組める資質が第一に問われますから。
通関士資格を取得するよう迫られる
通関部門に配属されると、通関士試験への合格を迫られます。
実は、通関業務には資格を取得していなくとも従事できるのです。
不本意に通関部門に配属された方にとって迷惑な話でしょう。
通関士資格の難易度は決して低くはありません。
プライベートな時間を最低でも300時間犠牲にする必要があります。
【通関士試験】合格に必要な勉強時間は戦略で変わる【何回受ける?】
勉強をしなければプライベートは守れるので問題ないです。
毎年受験し、『頑張ったけど落ちました』と言っておけば怒られることもありません。
通関部門全員が合格者一覧から受験した社員の名前を探します。
合格すると『おめでとう!』の声が上がりますが、不合格だと『シーン』となります。
試験1か月前には励ましの言葉をかけた同僚が、不合格を知ると口を閉ざします。
通関士資格に興味が無い方に通関部門で勤務することをお勧めしません。
勉強時間の確保or合格発表日の気まずい思いをしなくてはなりませんからね。
通関士の辛いところまとめ
この記事では通関士の辛いところを5個紹介しました。
ポイントとなるのはこんなところです。
- 通関士は評価されない
- 周囲と成功を喜び合えない
- 世間で認知度が低い
- ミスが許されない
- (通関部門に配属されると)資格の合格を迫られる

一般的に言われる仕事の辛さとは異なります。
逆に、通関士で残業時間・人間関係について悩む人は少ないはずです。
通関士は激務? 本当は働きやすい理由3つを現役通関士が解説!
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