通関士は将来なくなる?今までも需要は少ないけど仕事は減ってない現実

通関士の働き方
通関士は死ぬまで職に困らない?
現役通関士は将来に焦りがあるの?
通関士資格に合格しても将来的に役に立たない?

通関士は将来的に存続する仕事です。
仕事は全然減っていませんし、将来に焦る通関士を見たことがありません。

【この記事を読んでわかること】

  • 通関士が不要になる可能性は低いこと。
  • 通関士経験は他業種でも重宝されるため、個人の人生が安定すること。

通関士の需要は現在でも小さいです。
ただ、通関士経験は異業種への転職に効果的でしょう。
『通関士の需要』だけでなく、『通関士経験への需要』にもぜひ目を向けてください。

ゆうき
ゆうき

通関士になったことで、転職先の幅が広がった私が詳しく解説します。

《大前提》今でも通関士の需要は小さい

現時点ですでに、必要な通関士の数は少ないです。

通関士は全国に約8000人しかいません。
約8000人の通関士で日本の貿易を全て支えています。

この記事の内容は『通関士は無くならない仕事』ということです。
通関士の需要が爆発的に増える可能性は無いという点に注意してください。
現在も将来も、8000人程度の通関士が日本の貿易を支えるでしょう。

通関士の需要についてはこちらの記事で紹介しています。
通関士の仕事がない?現役通関士が転職サイトに登録して実態を調査した。

通関士の仕事は今の時点で既に見つけにくいことに注意してください。

『通関士』はAIに奪われる仕事なのか

通関士はAIに奪われる仕事として取り上げられています。

情報源は2015年に野村総合研究所様が発行したニュースリリースです。
『AI・ロボットに代替される可能性が高い601の職業』に『通関士』があります。

この発表から6年たった2021年8月現在。
通関士の仕事はほとんどAIやロボットに奪われておりません。

ゆうき
ゆうき

『通関業務の効率化・通関士の削減』の動きは確かにあります。
ただ全て失敗し、むしろ通関士は増員されているのが現実です。

通関士の仕事が無くならない理由は次の2つです。

  1. 単純業務は無くなるが、知識人としての役割は残り続ける
  2. 通関士の設置義務が法律で定められている

それぞれ見ていきましょう。

単純業務は無くなるが、知識人としての役割は残り続ける

企業が効率化しようとする通関士の仕事は一部です。
それは単純な通関業務であり、知識を問われる業務は全く自動化されていません。

通関士の社内的役割は大きく二つあります。

  1. 通関業務
  2. 法律面の問い合わせ対応

それぞれどのような扱いを受ける業務なのか見ていきます。

単純な通関業務は少しずつ自動化されるかも

一つ目の通関業務は通関士の定型業務です。
ルーティーンワークが多く、この部分は自動化されるかもしれません。
通関士が将来無くなる仕事にランクインしているのも、この部分が理由でしょう。

ゆうき
ゆうき

私の所属企業でも『通関業務の自動化』がテーマになっています。
正直全くうまくいっていませんが。。。。

通関士は海外企業が作成した書類を元に業務を行います。
システムによる自動化を進めるには、海外企業から書類内容をデータで受け取らなくてはなりません。
通関業務の自動化は『他社の業務運用を変更せざるを得ない』のです。

通関業務は海外企業から書類を受け取るところから業務がスタートするため、自動化が困難です。
自社内で自動化を進めることとは難易度が全く異なります。

通関士の定型業務ですら、現場の自動化は一部しか進んでいません。

法律面の問い合わせ対応は自動化の兆しが全くない

もう一つの通関業務は、他部署からの問い合わせ対応です。
法律面の問い合わせ対応は絶対に無くなりません。

ゆうき
ゆうき

通関士のもとには質問が集まります。
他部署で判断できない法律的な意見を通関士が調査するのです。

問い合わせの幅は広く、通関業務の内容にとどまりません。

具体的な問い合わせ内容にこんなものがあります。

  • シンガポール産のチョコの輸入でEPAは適用できる?
  • トルエンを含んだ接着剤の輸入規制は?

インターネットでは検索できない、輸入者・輸出者が求める知識を通関士は有しています。

『他部署からの問い合わせ対応』を自動化する兆しは全く見えていません。
インターネットで検索しても手に入らない知識が多く、AIによる自動化も困難と考えられます。

通関士にはAIやロボットが代替できない役割があるのです。
通関士に将来性が無いとするのは、この部分を考慮にいれていません。

通関士の設置義務が法律で定められている

通関士を設置することは法律で定められています。
密輸や脱税を防ぐための措置です。

完全に通関士が不要となるのは法律が変わった後です。

通関士は『利益を生み出すために生まれた』仕事ではありません。
『法律で定められている』から存在する仕事です。

法律の改正ではこんなところで揉めて進まないんじゃないかと思っています。

  1. AIやシステムの目をすり抜けた密輸や脱税の責任は誰が持つのか。
  2. 税関職員も不要なのでは?

それぞれ理由を見ていきます。

密輸や脱税の責任は誰が持つのか

通関士の役割を全てAIやシステムがになった場合、密輸や脱税の責任を誰が持つのか問題になります。
AIやシステムを作成した企業がその責任をとるのでしょうか。

ゆうき
ゆうき

現在、通関士のミスは『通関業者の営業停止処分』等のペナルティに繋がります。

そんなリスクをAI・システムを作成した企業に求めるのは酷な話。
法律上の責任を誰が担保するのか、かなりの議論を巻き起こすテーマでしょう。

税関職員も不要になる

AIやシステムで通関士の仕事が運用できるのであれば、税関職員の業務も代替可能なはず。
通関士が作成した輸出入申告書をチェックするのが税関のメイン業務ですから。

全国に約10000人の税関職員が公務員として勤務しています。
参考:税関HP 税関の機構
ゆうき
ゆうき

この人数の大幅な公務員削減は現実的では無いと思います。

民間企業が通関業務を自動化し、税関は人力で対応する可能性もあります。
税関職員は問い合わせを誰にすればよいのか、議論を巻き起こすでしょう。

仮に通関業務が全て自動化されたとしても、法律を変えるのは至難。
結局通関士の需要は残り続けるのではないかと考えられます。

通関士経験は幅広い職種で活かせる

通関士経験で身に付く知識は物流・貿易業界では重宝されます。

輸出入される貨物は膨大な種類があります。
貨物ごとの貿易関連知識は体系化されていないのです。

1つの貨物に適用される法律は複数になることも多いです。
『適用される法律すべてに詳しい人材』である通関士は貿易業界全体から求められます。
通関士が身に着ける専門知識が役立つことはこちらの記事で解説しています。
通関士経験は貿易業界で重宝される転職スキル!身に付く知識を紹介。

通関士の市場価値は高まります。
実務で使える知識を有する人材として転職市場で評価されるでしょう。

通関士試験で身に付く知識はまだまだ使える

通関士試験で学習する知識は将来的にも有用なものです。

自身のスキルアップのために通関士試験を受験する方は大勢います。
貿易・物流企業では社員の評価基準に通関士資格が採用されることもあるほどです。

通関士の仕事がAIに奪われた場合、通関士試験で身に付く知識は今まで以上に重宝されるでしょう。

通関業務は税関に書類を提出し、輸入に必要が税金を支払う仕事です。
書類の内容に疑問点があれば税関から連絡があります。
税金額に疑問があればお客様から問い合わせが入ります。

AIが通関士の仕事を奪う場合、誰かがお客様や税関に内容を説明する必要があります。
その知識を身に付けるのに、通関士試験は最適です。

ITシステムによる通関業務の効率化はむしろチャンス

現役の通関士たちは通関業務の自動化をむしろ望んでいます。

通関士は自身の知識を元にお客様の課題を解決する時にやりがいを感じます。

ゆうき
ゆうき

自身の経験を元に人の役に立つ時が気分良いですよね。

通関士は自身の市場価値向上にもつながるため、一石二鳥です。

通関士の『通関業務』は将来減少するはずです。
通関士は『法律面の問い合わせ』に対応する役割を背負うでしょう。

結果として通関士の人数は減る、しかし一人一人の将来性は上がるでしょう。

通関士の将来性まとめ

この記事では通関士の将来性はむしろ上がることをお伝えしました。

これから通関士を目指す人が抑えるべきポイントは次の通り。

  • 今でも通関士の需要は小さい
  • 通関業務で得られる知識はまだまだ転職時に重宝される
  • 自動化できる業務と出来ない業務がある
  • 通関士を0にするなら法律を変える必要がある
  • 単純な通関業務は自動化した方がむしろ通関士の将来性は高まる
ゆうき
ゆうき

今までも、これからも、通関士はレアな職業でしょう。

希少性の高さから市場価値の高い経験を積むことができます。

通関業務の自動化を『効率的に知識を身に着ける』チャンスと捉えましょう。

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