- 通関士は激務って聞くけど、何時間くらい残業してるの?
- 体を壊す通関士・辞める通関士も多いの?
- 激務で薄給の仕事ってこと?
激務な通関士は確かに存在します。
ただ、基本的には定時ダッシュの通関士が多いです。
通関士の残業時間は『任される業務内容』で判断できます。
決して業務量では無いことに注意して下さい。
この記事を読むことで、あなたは『激務な通関士求人を避け、定時ダッシュの通関士求人を見分けることが出来る』ようになります。

ほとんど毎日定時ダッシュ。現役通関士の私が詳しく解説します。
目次
通関士が激務にならない理由3つ
通関士は激務になりにくい仕事です。
通関課の残業時間が相対的に少ない企業が多いでしょう。
その理由はこの三つです。
- 処理効率よりもミスの少なさが大切
- 業務時間外に緊急対応を求められない
- 業務スケジュールを組み立てやすい
それぞれ見ていきます。
【豊富な人員】通関士は処理効率よりもミスの少なさが大切
通関士のミスは大きな被害を生み出します。
通関士の業務量にゆとりを設定する企業が多いです。

人員を削れば、必ずヒューマンエラーは増加します。
そのリスクを減らすため、通関士の人数を削ることは推奨されません。
未経験の方にはイメージしにくいかもしれませんが、通関士界隈ではありふれた内容です。
お客様はミスの無い通関サービスを求めるものです。
通関士を削減することは損失リスクを大きくします。
同時にお客様へのサービスレベル低下を意味します。
通関士の削減は実施されないでしょう。
【残業少ない】業務時間外に緊急対応を求められない
通関士は業務時間外に緊急対応を求められません。
5時以降の電話連絡なんて本当に来ませんよ。
通関士が税関とやり取りできる時間は提示時間内だけです。
地域により異なりますが、基本的に税関の開庁時間は平日8:30~17:30まで。
この時間でしか税関とやり取りを行うことができません。

時間外の対応を求められた場合、「もう税関が閉まっているので処理は明日です。」と言いましょう。
税関の業務時間外には通関業務を行えません。
通関士は業務時間中を慌ただしく過ごし、業務時間後はすぐ帰宅します。
通関士は業務時間外の緊急対応を求められません。
【休暇取得が容易】業務スケジュールを組み立てやすい
通関士は業務スケジュールを前もって理解し、準備することができます。
休暇取得がしやすい労働環境でしょう。
その理由は通関士は事前に輸出入予定を把握できるからです。
遅くとも処理締め切り日の2日前までには貿易書類が揃います。
必要な貿易書類は、貨物が通関予定場所に到着する前に発行済み。
通関士のもとへ貿易書類はメール送付されています。
休暇を取りやすい業務内容なのは間違いないです。

近年の休暇取得・在宅勤務の流れに乗り、通関士のライフワークバランスが向上していくと予想しています。
通関士は輸出入スケジュールを前もって把握し準備することができます。
休暇取得がしやすい労働環境でしょう。
通関士の残業時間の目安は?
通関士の残業時間の目安は『所属企業』によります。
通関士の残業時間を把握するためにチェックすべき項目は3点です。
- 所属企業の平均残業時間
- 通関士の業務範囲
- メインで取り扱う貨物の金額
それぞれ見ていきます。
所属企業の平均残業時間より少ない残業時間
所属企業の平均残業時間よりも通関士の残業は少ないはずです。
通関課は所属企業内で残業時間が少ない傾向があります。

所属企業の平均残業時間は毎月30時間。
私自身の残業時間は毎月10時間です。
通関業務の品質のため人員削減が推奨されないことはもちろん。
もう一つ別の理由もあります。
それは『通関課員の年齢が高い』ことです。
他部署で経験を積んだ社員が異動することが大半です。
残業の多い部署は『若手比率が大きい』傾向があります。
通関課の残業時間が短いのも理解できるのではないでしょうか。
『平均年齢が高い』通関課は所属企業の平均残業時間よりも短い残業となるはずです。
残業が多い通関士は業務範囲が原因になっている
通関士が通関業務に集中しているかが残業時間に影響します。
通関業務だけを取り扱う通関士は残業時間が短くなるでしょう。
通関業務だけでなく、他の周辺業務も担当する通関士もいます。
通関業務は税関の開庁時間しか行うことができません。
ただ、他の業務に関しては業務時間外の対応を求められる可能性が高まります。

残業時間が毎月30~50時間となると聞きます。
通関業務『以外』に時間がかかるのでしょう。
【通関士】残業時間の目安はどれくらい?激務な職場の見分け方も解説。
業務時間内は通関業務、業務時間外は他の業務に対応する働き方かもしれません。
通関士の業務範囲は残業時間に大きく影響します。
【要注意】取り扱うメイン貨物が1万円以下だと激務になる
1万円以下の貨物をメインで取り扱う通関士は本当に激務です。
具体的には、飛行機で輸入する小さなモノが該当します。
個人輸入等で需要が増加傾向です。
1万円以下の貨物を取り扱う通関士は激務になる要素しかありません。
- 税金が免除されるため、ミスのリスクがあまりない。
- 飛行機で急ぎ輸入するため、緊急依頼が多発
- 空港に対応する税関は24時間稼働

月80時間以上の残業をしている通関士も多数いるでしょう。
質より、量を求められる業務内容です。
飛行機で輸出入する1万円以下の貨物を取り扱う通関士求人には注意しましょう。
離職率が高く、精神的にも肉体的にも疲弊する可能性が高いです。
通関士の残業時間まとめ
この記事では通関士が激務にならない理由を紹介しました。
ポイントはこんな感じです。
- 通関業務は基本的に定時ダッシュできる内容。
- 通関業務『以外』も任される通関士は残業せざるを得ない。
- 飛行機・1万円以下というキーワードの通関士は激務。
- 通関士の辛さは残業時間ではない

基本的に通関士は激務にならない仕事です。
求人の業務内容をしっかり見定めれば、業務時間に不満を持つことは少ないでしょう。
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