【通関業務をしない通関士】他法令業務を専門とする通関士もいる

通関士の仕事内容
通関士は専門的な仕事って聞くけど、どんな専門性が身に付くの?
他法令業務って聞いたこと無いけどどんな仕事?
他法令を担当する通関士が身に付けるスキルって何?

輸出・輸入するために税関以外の官公庁に許可・承認を受けなくてはならない貨物が存在します。
その許可・承認を得る業務が『他法令業務』と呼ばれるものです。

他法令業務に通関士資格は必要ありませんが、通関課の仕事とされるものもあります。
『他法令業務』を専属で担当する通関士も存在するでしょう。

他法令業務は基本的に輸出者・輸入者が精通すべき内容です。
そのため、担当通関士は一部の貿易企業で重宝されるスキルを身に付けることができます。

この記事を読むことで、あなたは他法令業務で身に付く専門性・強みを理解することができるでしょう。

ゆうき
ゆうき

現在は輸入と他法令を兼任する通関士の私が詳しく解説します。

他法令とは?

『他法令』の知識は通関業務に必須とされます。
『他法令の確認』を受けた証拠を申告書に記載するためです。

輸出入するため、『税関以外の官公庁』の許可・承認を必要とする貨物が存在します。
そういった貨物が『他法令該当の貨物』です。

税関から輸出許可・輸入許可を受けるためには、他法令もクリアしていることも税関に示す必要があることを覚えておいてください。

他法令とは『税関以外の官公庁が定めた規則』

モノを輸出入するために意識するのは税関だけではありません。
他の官公庁が貿易を規制するために作成した法律、いわゆる『他法令』が存在します。

具体的な他法令は次のページに掲載されています。
1801 税関で確認する輸入関係他法令の概要(カスタムスアンサー)

例えば肥料を輸入する場合、農林水産省が管轄する『肥料の品質の確保等に関する法律』が適用されるでしょう。
輸入申告の際、通関士は『担当する肥料の輸入が農林水産省に認められているか』を確認する必要があります。

通関士は他法令に関する知識も必須と理解してください。

通関士は他法令の有無を必ずチェックする

輸入申告・輸出申告する前に、通関士は必ず該当他法令が無いかチェックします。
『申告業務は他法令の確認が取れるまで行えない』と法律で定められているからです。

基本的に通関士が他法令の内容を全て理解する必要はありません。
次のことが分かれば十分です。

  • 担当貨物に適用される他法令があるか。
  • その他法令の確認を証明する書類はどんなものか。

例えば、通関士が毒物・劇物とされるモノの輸入通関を担当する場合が挙げられます。
毒物・劇物は他法令の確認が必要な貨物です。
『毒物劇物輸入業務登録票』という書類を輸入者から取り寄せ、税関に提出するケースが多いでしょう。

通関士は担当貨物が他法令に該当するかを判断し、条件をクリアしている証明を取り寄せるのが一般的です。

一部の他法令業務は通関士が代理で申請する

通関士が申請する他法令もあります。
輸出者・輸入者を代行し、通関士が官公庁に申請を行うのです。

輸出・輸入ごとに毎回必要とされる申請を代行するケースが多いでしょう。
具体的には次の申請です。

  • 検疫所に対する食品届業務
  • 動物検疫所に対する動検申請業務
  • 植物検疫所に対する植検申請業務
多くの他法令は輸出者・輸入者が対応します。
1年以上の期間で許可・承認を受けるものが多く、通関士は『許可証』を取り寄せるだけです。

一部の他法令(食品・動検・植検)については、通関士が毎回代理で申請をするのが一般的なことを覚えておいてください。

他法令申請をメイン担当とする通関士もいます。
輸出入申告業務に劣らず、件数・難易度ともに高いです。
輸出者・輸入者に求められる知見・スキルが身に付く業務内容となります。

他法令担当の通関士は一部の貿易企業で重宝される

他法令担当の通関士は一部の貿易企業で活かせる知識を持っています。

貿易企業にとって他法令の知見は重要視されます。
海外企業との綿密なやり取りが必要ですし、他法令を理由に輸出入が出来ないケースもあるためです。

他法令に詳しい通関士は特に食品を取り扱う企業で経験を活かせるでしょう。

他法令は輸出者・輸入者が精通すべき理由2つ

輸出者・輸入者は他法令について精通しなくてはなりません。

その理由は2つです。

  1. 他法令に違反している貨物は輸出入不可。
  2. 資料取り寄せのため、海外企業と頻繁なやり取りをする。

それぞれ見ていきます。

輸出入不可とされるリスク

他法令の確認を取れない貨物は輸出入することができません。
輸出者・輸入者が輸出入の可否を見分けるのは言うまでも無いことです。

貿易のスケジュールを取り決め、貿易書類を発行し、輸送の手配を進め、通関士に書類を回した時。
そのタイミングで『輸出入不可』が判明すると問題になります。

貿易企業では他法令の知見が重要視されることは理解してください。

(輸入の場合)海外企業とやり取りが必須

他法令の確認には、貨物に関する資料の提出が必須です。
輸入の場合、海外企業から書類を取り寄せます。

海外の企業とやり取りをするのは輸入者です。
輸入者は他法令を理解し、海外企業から必要な書類を確実に取り寄せなくてはなりません。

ただでさえ難易度が高い海外とのコミュニケーションです。
他法令の知見が無いと、いつまでも正しい書類が揃わないでしょう。

輸入企業の場合、海外との円滑なやりとりのために他法令の知見が必須となることを覚えておいてください。

他法令の知見を持つ通関士の強み

他法令業務に精通した通関士は特定の業界で重宝されるでしょう。
具体的には食品輸入を取り扱う企業で専門性を発揮できます。

通関士が申請する他法令は基本的に食品検疫・動物検疫・植物検疫です。
これらは食品関係の会社が関わる法令であり、食品を取り扱うメーカー・商社で活かせる知識となります。

通関士が代理代行して申請を行う他法令については、輸入者よりも通関士の方が詳しいのが普通です。
食品関係の企業で通関士の経験が求められることは覚えておいて下さい。

他法令業務についてまとめ

この記事は他法令業務ついて紹介しました。

ポイントはこんなところです。

  • 輸出・輸入をするために税関以外の官公庁に許可・承認を得る手続きを他法令業務と呼ぶ。
  • 基本的に輸出者・輸入者の仕事であるが、一部通関士が対応するものがある。
  • 食品検疫・動物検疫・植物検疫は通関士が担当するケースが多い。
  • 食品を取り扱うメーカーや商社では重宝されるスキルが身に付く。
ゆうき
ゆうき

他法令を専属担当する通関士が税関と関わることはありません。
代わりに他の官公庁とメインでやり取りをすることになるでしょう。
輸出申告・輸入申告と並んで重要視される業務です。

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