【通関士になるには?】実は不本意な人事異動で通関士になる人が多い

通関士の働き方
どういう経緯で通関士になる人が多いの?
異業種からキャリアチェンジで通関士になる人が多いの?
新卒から通関士として働く人が多いの?

通関士になる方法は大きく分けて2種類あります。
『通関士を希望してなる人』と『不本意に通関士にされる人』です。

通関士は決して替えの効かない重要ポジションではありません。
普通の会社員であり、未経験者が配属されることも多々ある部署です。

この記事を読むことで、あなたは通関士になるためにどんなルートがあるのか把握することができます。

ゆうき
ゆうき

通関士を目指し、現在は通関士として勤務する私が詳しく解説します。

30人程度の通関士と交流した経験を元としている点にご了承ください。

通関士には2種類のなり方がある

通関士は2種類に分類することができます。

  1. 通関士になることを希望した人
  2. 不本意に通関士にされた人

通関士は特別な能力を必要としない普通の会社員です。
数年経験をすれば誰でも身に付く仕事内容でしょう。

世の中の会社員は大多数が不本意な仕事に取り組んでいます。
通関士もその例には漏れません。

実は少数派な『通関士を希望した人』

通関士に希望してなる人は少数派です。
体感的には20%程度しかいません。

国家資格職なので意外かもしれませんが、通関士に『目指してなる人』は少ないです。
逆に、目指せば誰でもなることができる仕事と言えます。

というのも、通関士の知名度が低すぎです。

  • 貿易に関わる仕事をしていなければ、通関士の存在を知らない。
  • 通関士と仕事をしなければ、通関士の仕事内容をわからない。
  • 通関士が知り合いにいなければ、通関士の魅力を理解できない。

通関士になりたい人が少ないのは当たり前のことです。
全国に8000人しかいない通関士が知り合いにいる確率は非常に低いですから。

大多数は『異動先は通関課か、、不安。。』と思ってる人

通関士の大半は『不本意に通関課に異動させられた人』です。
もともと貿易・物流企業に在籍し、希望しないまま通関課に人事異動させられるケースが多いでしょう。

通関課は専門的な業務を行いますが、未経験・無資格でも配属されます。
『適性がありそうな人』が通関課に配置され、そのあと通関士試験の受験や専門的な業務知識の習得を促されるのです。

何でも知っていそうなベテラン通関士も最初は不本意な人事異動・何もわからない未経験から通関士のキャリアをスタートしています。

異業種から通関士になる人は少ない

貿易に関係無い業種から通関士になる人は非常に少ないです。
もちろん0ではありませんが、極端に少ないことは理解してください。

異業種から通関士になるのは別に難しくありません。
異業種の方が通関士に興味を持つ機会が無いのです。

転職希望者が通関士に興味を持てない理由は次の通り。

  • 正社員求人が非常に少ない
  • 貿易事務の求人を選ぶ方が多い

これらを理由に通関士を選択肢から外すのはもったいないです。
それぞれ詳しく見ていきます。

正社員求人が圧倒的に少ない

通関士の正社員求人は非常に少ないです。
大半の求人が『派遣・契約社員』であり、少ない『正社員求人』は通関士経験を必須とするものが多いでしょう。

通関士の正社員求人は減っています。
企業は通関士を外部から採用せず、自社内の人事異動でまかなう傾向にあるからです。

通関士の正社員求人についてはこちらの記事で紹介しています。
通関士の仕事がない?現役通関士が転職サイトに登録して実態を調査した。

通関士経験が無くとも、実は数ヵ月で通関課の戦力になれます。
わざわざ外部から未経験者を採用するメリットが企業側にはありません。

異業種から正社員として通関士に転職するのは現実的に厳しいでしょう。

通関士が戦力になるまでの期間はこちらの記事で紹介しています。
未経験で通関士になる!いつ慣れる?大変?魅力は?現役通関士が解説

しかし、派遣・契約社員の求人に応募するなら別です。
通関課に人員を回す余裕の無い企業がたくさん求人を出しています。

通関士の正社員求人は少ないですが、通関業務の需要は減っていません。
派遣・契約社員という選択肢を考える方に、お勧めできる職業です。

契約社員・派遣社員であれば『貿易事務』を選ぶ人が多い

派遣・契約社員であれば、通関士よりも貿易事務が人気です。
通関士よりも貿易事務の方が需要も大きく、業務内容がわかりやすいからでしょう。

貿易事務には『通関士資格』を持っていると積極的に採用されます。
通関士を目指し、通関士試験に合格した方は貿易事務への道も開けるのです。

貿易事務を選択して後悔しないために、1つだけ覚えておいてください。

『貿易事務で経験を積み、通関士へのキャリアアップを狙う』は勘違いです。
通関士と貿易事務の業務難易度に明確な差はありません。

大きな違いは『経験で身に付くスキル』です。

通関士は貿易に関する法律に詳しくなります。
(例)貿易規制・輸入税

一方、貿易事務は貿易をするための各種サービス利用方法に詳しくなります。
(例)船会社への運送依頼・トラックの運送依頼

通関士が日本全国どこでも適用されるされる法律を取り扱うのに対し、貿易事務は取引先ごとの違いに合わせた臨機応変な対応が求められるでしょう。

派遣社員での通関士経験がどう活きるかはこちらの記事で紹介しています。
派遣社員で通関士を3年経験すると、一生食うには困らなくなる話

人生のキャリアプランを考える際、派遣・契約社員で通関士の実務経験を積むのは間違った選択とは言い切れません。
漠然としたイメージで貿易事務を選択するのはおすすめしません。

新卒から通関士になるのはごく少数

大学を卒業してすぐ通関士になる人は稀です。
通関士のキャリアをスタートするのは30代からが一番多いでしょう。

その理由は3つあります。

  1. 通関専門の業者はほとんどない
  2. 通関課は新卒が配属されにくい部署
  3. 通関士試験に合格した学生は本当に少ない

それぞれみていきます。

通関専門の業者はほとんどない

通関だけ専門で行う業者はほとんどありません。

通関業務は『貿易に付随して発生する業務』です。
『他の仕事』と通関業務を兼任する業者が大多数になります。

一般的に通関業務を行うのはこんな会社でしょう。

  • 輸入貨物を置いておく倉庫を保有する倉庫会社
  • コンテナを運ぶトラックを保有する運送会社
  • 船や飛行機の手配を行うフォーワーダー

通関専門の業者はほとんど存在しません。
大半の通関士は物流企業で勤務することになります。

通関課は新人が配属されにくい部署

新人が通関課に配属されることは稀です。
0ではありませんが、数年に1度の頻度でしょう。

大半の通関士が所属するのはいわゆる『物流企業』です。

物流企業の新入社員は大半が『若くないと出来ない仕事』を任されます。
体力的・精神的に辛い部署に配属されるのが一般的です。

具体的には、倉庫や港などの『物流現場』、次いで『貿易事務』や『営業』といった部署で勤務することになります。

通関課は2回目・3回目の人事異動で配属される部署です。
新卒で配属されることはほとんどありません。

通関士試験に合格した学生は本当に少ない

学生時代に通関士試験に合格すると、かなりの頻度で通関課に配属されます。
ただ、通関士資格を持つ学生は本当に少ないです。。。

学生時代に通関士資格を取得すると、就職活動で莫大なメリットを享受できます。
選考に有利なだけでなく、入社後も良いことがあるでしょう。

学生が通関士試験に合格するメリットはこちらの記事で紹介しています。
【就活生向け】通関士資格を活かせるおすすめ就職先は?現役通関士が解説

学生時代に通関士資格を取得する学生はほとんどいません。
資格未取得の場合、通関課は『若手』よりも『中堅社員』が配属されやすいことを理解してください。

通関士になる3つのルート

通関士になる3つの方法が存在します

人数が多い順番で次の三つです。

  1. 企業内の不本意な人事異動
  2. 未経験から派遣・契約社員として勤務する
  3. 企業内で通関士資格を取得し人事異動

それぞれ見ていきます。

【大多数】企業内の不本意な人事異動

一番多いのは『不本意な人事異動』になります。
通関士資格を取得していない人材が、希望もしていない通関課に異動するパターンです。

配属される人材の特徴は次の通りです。

  • 産休・育休明けで長時間労働の難しい社員
  • 悪い評判があまりない、コツコツ型の社員
  • ルール通り、きっちりした仕事をする社員

通関課は業務量の融通が利きやすく、受け身的な仕事を行います。
上記社員は適性があると判断され、配属されるのでしょう。

年齢層としては30代が多く、仕事の基礎が出来ている方がほとんどです。
配属後に通関士資格を取得し、10年後はベテラン通関士として一層活躍することになります。

【少数】未経験で派遣・契約社員として勤務する

通関士を目指し、派遣社員・契約社員としてキャリアをスタートする方もいます。

未経験で通関士になる方は前職が激務な場合が多いです。
お給料よりも、ワークライフバランスを重視している方でしょう。

  • 貿易業界にもともと所属しており、ワークライフバランスを整えたい方。
  • 若いうちしかできない異業種の仕事をしており、通関士資格を取得した方。

通関士は体力を必要としないデスクワークであり、転職時に様々な企業から優遇されるスキルが身に付く仕事です。
いつでも転職できるという安心感を得たい方におすすめできます。

特に派遣社員求人への応募は通関実務経験を積むための最も簡単な方法です。
実務未経験・資格不問の求人がたくさん見つかります。

【少数】企業内で通関士資格を取得し人事異動

物流企業に勤務する人材が通関士試験に合格し、通関課に異動する方法です。
誰からも祝福される王道パターンでしょう。

通関士資格取得後、通関課への異動を希望すればかなりの確率で通関士になれます。
ただ、すぐに異動できないことが多いので注意が必要です。

通関課が『通関士資格を保有する社員を受け入れるタイミング』はかなり限定的です。
通関課のエース社員が部署異動・退職する時は確実ですが、他の場合はあまり人事異動が起こりません。

通関課は決してエリート部隊ではありません。
通関士資格に合格する人材は優秀な場合が多く、企業としては通関課に配置するのを躊躇するでしょう。

結果として、苦労して通関士試験に合格しても、通関課のエース社員と交代でしか通関士になれないなんてことも。

企業内の人事異動で通関士を目指す方は急いで通関士資格を取得すべきです。
通関課エースの異動・退職に合わせ、通関課への異動を希望できるようにしましょう。

通関士にはどんな人がなるのかまとめ

この記事は通関士にどんな人が多いのか紹介しました。

ポイントはこんなところです。

  • 通関士には『目指してなる人』『不本意になる人』がいる。
  • 目指してなる人は通関士試験に合格し、通関課に配属される。
  • 不本意になる人は通関士試験を未受験のまま、通関課に配属される。
  • 通関士資格取得後の部署異動はエースと交代。
  • 未経験者は派遣・契約社員からスタートが早い。
ゆうき
ゆうき

通関士になるのは簡単です。
ただ、知名度の低さが原因で目指す人はほとんどいません。
『通関士にされた』人が大多数でしょう。

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