通関士にはノルマが無い。ミスの少なさ・業務処理件数で評価される。

通関士の働き方
通関士にノルマはあるの?
できる通関士はどんな成果をあげているの?
優秀な通関士にはどうしたらなれるの?

基本的に通関士にはノルマがありません。
『受けた依頼をこなす』だけの受け身仕事です。

人事評価は『通関件数』『ミスの少なさ』が大きな指標になるでしょう。
経験年数が長く、PCスキルに秀でた通関士が高い評価を獲得する傾向にあります。

この記事を読むことで、あなたは通関士には『案件を獲得する能力』よりも『コツコツ勉強する能力』が重視されることを把握することができます。

ゆうき
ゆうき

現役通関士として勤務する私が詳しく解説します。

通関士にノルマを設定できない理由3つ

通関士はノルマが設定されない事務仕事です。
仮にノルマが設定されていても、精神的な重圧にはつながらないでしょう。

その理由は次の3つです。

  1. 通関業務を獲得するのは営業の仕事
  2. 通関士の仕事量は顧客・営業次第
  3. 故意にミスする通関士なんて存在しない

それぞれ紹介します。

通関業務を獲得するのは営業の仕事

通関士が通関業務の営業をすることはありません。
売り上げノルマは存在しないでしょう。

通関依頼を獲得するのは営業部隊の仕事です。
営業部隊が獲得した通関依頼を処理するのが通関士の役割となります。

顧客窓口を営業部隊に一本化したほうが効率的なのは明らかです。
通関士が顧客対応をしないことは、高品質な物流サービスにもつながります。

通関士が顧客と関わらない理由についてはこちらの記事で紹介しています。
通関士は人と関わらない仕事?客前に出ない現役通関士が解説!

通関士に売り上げノルマが課されることはありません。
自分から仕事を獲得する必要は無く、売り上げ低下に対する精神的なプレッシャーはありません。

通関依頼の件数は顧客・営業次第で決まる

通関士の仕事量は顧客・営業に依存します。
仕事量にノルマを設けても意味が無いです。

通関士の業務量は通関士が決めることではありません。
既存顧客が通関依頼をするか・営業が新規案件を受注するか、この二点に通関士の業務量は依存します。

形式的に業務量のノルマは課されるかもしれませんが、ペナルティやプレッシャーは皆無でしょう。
業務量のノルマを達成できなくても、原因は通関士に無いからです。

故意にミスする通関士なんて存在しない

どの通関士もミスを0に抑えようと必死です。
ノルマがあっても無くても関係ありません。

企業によってはミスの回数にノルマを設けているようですが、通関士の精神的な負担は増えません。

10回でも、1回でも、ミスをすると精神的に辛い思いをします。
ノルマが達成できなかったからではなく、自身の能力を否定された気分になるためです。

ミスの回数にノルマが課されても関係ありません。
通関士はミスをしないよう、常に細心の注意を払っています。

通関士の評価軸は2つある

通関士を評価する基準は2つあります。
『処理件数』『ミスの少なさ』です。

どちらもノルマとしては機能しませんが、『通関士の評価を決める』上ではメジャーな指標でしょう。

それぞれ『優秀な通関士の指標』となる理由を見ていきます。

処理件数の多い通関士は『幅広い知識を持つ』

優秀な通関士は業務量が多い傾向にあります。
対応可能な業務範囲が広いことを意味するからです。

同じ通関業務でも、貨物ごとに求められる経験が異なります。
貿易規制や通関上の特殊なルールが貨物ごとに設定されているためです。

通関士経験が転職市場で評価される理由はこの記事で解説しています。
通関士経験は貿易業界で重宝される転職スキル!身に付く知識を紹介。

例えば、『食品の通関業務』と『洋服の通関業務』では、求められる知識がガラッと変わるでしょう。
食品専門の通関士は、洋服の通関業務に苦戦します。

未経験の貨物を通関処理する際、経験の浅い通関士は規制を1から調べるのです。
時間がかかり、処理件数が少なくなるのは言うまでもありません。

担当業務が多い通関士は『幅広い知識を兼ね備えている』優秀な通関士です。
様々な貨物の通関経験があり、効率的に処理を進めているでしょう。

ミスの少ない通関士は『仕組み作りがうまい』

ミスの少ない通関士が評価されるのは当然です。

『気を付ける』だけだとミスは減りません。
ミスの起きにくい仕組みを組み立てる必要があります。

通関の知識や経験を持っていても、ミスを減らす仕組みを作れない通関士がいます。
逆に知識・経験が無くとも、正確な処理ができる新人通関士は重宝されるでしょう。

優秀な通関士はこんな工夫をしてミスを減らします。

  • 過去書類・業務データの整理整頓。
  • Excel関数・VBAを活用した自動化。
  • チェックリスト・マニュアルの作成。
  • 業務フロー改善案の作成・関係各所への提案。

地味な施策ですが、通関士に限らず、多くの事務員が実践している内容でしょう。

『ミスが少ない』ではなく、『ミスを減らすために何をしたか』が評価されます。
優秀な通関士はミスを減らすために行動する人です。

優秀な通関士が持つスキル3つ

優秀な通関士になるために役立つスキルがあります。
習得すると、通関業務を『ミス少なく』『効率よく』こなせるようになります。

代表的なスキルは次の3つです。

  1. 経験で身に付く通関知識
  2. 化学・医薬品など幅広い知識
  3. PCスキル

それぞれ見ていきます。

経験で身に付く通関知識

経験が長ければ長いほど、通関士は通関の知識を蓄えていきます。
通関士試験では身に付かない、現場だけで身に付く知識です。

通関業務で時間がかかるのは『イレギュラー対応』で間違いありません。
ルーティーンの通関業務10件より、イレギュラー1件の方が時間を取られます。

そのイレギュラーを処理するための知識が『現場で身に付く通関知識』です。
通関士試験では身に付かない、『トラブルが発生した際の具体的な解決手順』だと考えてください。

経験豊富な通関士はトラブルを瞬く間に解決していきます。
通関知識をつければ、業務をテキパキこなし、処理できる業務量が増加するのです。

通関知識が豊富になれば、通関士は短時間で業務をこなせるようになります。
結果として、処理件数が増加し、高い評価を受けるでしょう。

化学・医薬品等 幅広い知識

貨物の知識を持つと、円滑な通関業務に繋がります。
『貨物の知識』は通関の知識と同じく重要です。

通関士は貿易貨物の原材料・製法・用途などを理解し、税関に示す必要があります。
ここで税関が納得しないと輸出入は許可されません。

日本には世界中からありとあらゆるモノが集まってきます。
通関士は見たことも無い商品を、税関に説明しなくてはならないのです。

例えば、化学品・医薬品の知識がある通関士は重宝されます。
一般的になじみの無い物質が多く、普通の通関士だと『貨物理解』に膨大な時間がかかるでしょう。

通関士は担当貨物に精通することで、スムーズに通関処理を進めることができます。
通関の知識しかない通関士より、多くの業務量をこなせるはずです。

PCスキル

PCスキルの高い通関士は正確で効率的な通関処理をこなすことができます。
特に活かせるのはExcel関数スキル、Excel VBAスキルです。

基本的に通関士はパソコンを利用して仕事を進めます。
『Excelファイル』『テキストファイル』の扱いに長けた通関士は重宝されるでしょう。

通関業務をこなすだけなら、Excelもテキストファイルも使用する必要はありません。
輸出入申告用のシステムに英数字を手入力できればokです。

だからこそ、PCスキルを全く持たないベテラン通関士がたくさんいます。
紙・電卓・定規・鉛筆だけで仕事を進めた結果、Excelを使えばミスなく・数分で終わる業務に、毎日1時間以上かけているのです。

通関士全体のPCスキルはお世辞にも高いとは言えません。
Excel関数・Excel VBAを少しでもできれば、かなりの業務をミスなくスピーディーにこなすことができるでしょう。

PCスキルに長けた通関士は優秀とみなされるでしょう。
通関士全体のPCスキルが低いため、簡単なExcel関数が使えるだけで褒められます。

通関士にノルマが無い理由まとめ

この記事は通関士のノルマ事情について紹介しました。

ポイントはこんなところです。

  • 通関士にノルマは無い。
  • 処理件数とミスの少なさが評価を決める。
  • 優秀な通関士は豊富な通関経験・幅広いモノに関する知識・PCスキルを備えている。
ゆうき
ゆうき

通関士はノルマが無い事務仕事です。
『センス』や『運』だけで評価されることはありません。
地道な努力が高い人事評価に繋がります。
その時には、社内で最も貿易に詳しい人材になっているでしょう。

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